気にする人は、気になる気持ちを引きずったまま、中途半端な時間を過ごしてしまいやすい。そういう時間は「頭がお暇な状態」になりやすいので、ますます気になる。

 たとえば、職場の癖の強い取引先のことが気になっていたとする。気になりやすい人は、休日も頭からモヤモヤが離れず、何もする気になれずにゴロゴロ、モヤモヤしているうちに、1日が終わってしまう。

 一方、気になりにくい人は、気持ちを行動で切り替える。先の例だったら、休みの間に気にしても何か解決するわけではないので、近くのショッピングモールに出かけてしまう。買い物をしたり、カフェに寄ったりしているうちに気がまぎれ、そのまま疲れて寝てしまう。

「気になる」状況は自分自身でつくっているのだと自覚し、行動を変えよう。

◇気になるのは、問題が多いからとは限らない

 気になるときは「あれもこれも気になる、どうしよう」と、頭がパニック状態になっている。しかし、実際には問題が次々に起こっているわけではないことがほとんどだ。

 こんなときに大切なことは、気になることに冷静に向き合って整理することだ。次の5ステップで、頭の中を整理しよう。

 ステップ1では、「気になること」を思いついた順に全部書き出す。こうすることで、問題点を整理し、ずっとそのことを考えなくてすむようになる。

 ステップ2では、ステップ1で書き出したことを仕訳する。どうにもできないことや今すぐできないことは、思い切ってカットしてしまおう。これだけでもずいぶんスッキリした気分になるはずだ。

 ステップ3では、残った「気になること」を優先順位の高いものから並べていく。優先順位をつけると、とても気になっていたことがじつは他と比べたら大したことがないと気づくことがある。こうした発見ができるのは、冷静になれている証拠だ。

 ステップ4では、リスト内にある「気になること」の対策を考える。優先順位は関係なく、思いつくものからでいい。冷静になれば、すぐに解決することも出てくるかもしれない。

 ステップ5では、対策できたことをリストから消す。ステップ3~5を繰り返していくと、気になることがどんどん減っていく。慣れれば頭の中でこの作業ができるようになり、爽快な気分になれる。