「解決指向」と「共感指向」の違い

「解決指向」というのは、何か問題が生じた時にまず、どうすれば最も合理的に且つ早く解決できるかという手段を考えることだ。もしそれがチームで考える必要があるのなら、情報を共有して一緒になって解決策を見つけようという行動になる。

 一方、「共感指向」とは、解決策はあくまでも自分一人で考えるのではあるが、トラブルに陥ってしまった心情を仲間に理解してもらうことで、解決するためのパワーを得るという方向のことを言う。

 これは男性とか女性というよりも環境による部分が大きいかもしれない。男性の場合、ずっと家に居て家事をまかなっているというケースは非常に稀で、ほとんどは会社で働いている。企業を動かしている論理は「経済合理性」であるから、個人の感情を云々する以前にどうすれば問題を素早く解決するかというベクトルが最優先になるのは当然だ。感情や心情はあくまでも後回しである。したがって、女性でも会社で働いている人は当然こういう思考になる。

 反対に、家に居て家事をしていると、問題の多くは自分一人で解決せざるを得ない。そこで必要になってくるのは、自分が悩んで解決策を考えているということをきちんと理解して共感してくれる存在だ。これは「なぐさめ」とかではなく、自分の心情を理解してくれている人がいるということがわかるだけで心が楽になるし、自分の悩みに対して理解と共感を得られることで、解決に向けた意欲が増すからだ。多くの場合、これは身近な仲間とか友人がその役割を果たすことになる。もしそれが妻だとすると、最も身近な存在は夫のはずだ。