仕事に追われてあっという間に1日が終わり、1週間、1ヵ月、1年とどんどん時間が過ぎていく。けれども暇さえあればSNSやYouTubeを見てばかりで、脳疲労やストレスがなくならない。そんな毎日の繰り返しでいつか後悔するかもしれない生活をリセットするための処方箋が発売された。会社員時代に音楽プロデューサーとしてミリオンセラーを10回記録したあと39歳で退職してすべてリセットし、ニュージーランドに移住した四角大輔さんの新刊『超ミニマル主義』だ。
独立後の2012年に上梓してベストセラーになったデビュー作『自由であり続けるために20代で捨てるべき50のこと』から10年目。移住後も世界を旅しながら事業運営、メディア連載、プロデュース業などに携わってきた四角さんが再びライフスタイルをリセットし、超シンプルで楽な働き方を実現するためのノウハウを詰め込んだ内容となっている。「最小限=ミニマル」を極めて、自分の可能性の「最大限=マックス」を引き出す。「超効率化×超集中」で成果を出し続けながら、自由で豊かな人生を手に入れる。そのために不要なモノ・コト・情報をすべて手放すライフハック術をまとめた本書から、今回は、圧倒的な成果を出す仕事術について四角さんに語ってもらった。(構成/樺山美夏 撮影/疋田千里)

【“ネット依存”が病気の原因に…】「スマホ依存症の人」が今すぐ始めるべきこと

ネット依存症になると認知症、記憶障害、うつになる

――新刊で触れているデジタルツールの有害性にはショックを受けました。GAFAをはじめとする巨大テック企業はユーザーのドーパミンをコントロールして、ネット依存にさせる仕組みを周到にはりめぐらしているんですね。

四角大輔(以下、四角) 実は僕も仕事で使い過ぎて、一時期スマホ中毒になってしまって、その原因を探るために勉強したら戦慄してしまって。それがショック療法となって中毒から抜け出せたんです。中でも、スマホが脳をハッキングする事実を赤裸々に綴った『スマホ脳』は衝撃でした。欧米のテック企業では「ブレイン・ハッキング」という言葉が普通に使われていて、インターネットユーザーの脳のドーパミンを放出させ続けて依存症にさせるために、アルゴリズムを投下したわけです。

 ネット依存になると、認知症、記憶傷害、うつ、コミュニケーション障害など、ありとあらゆる弊害が生じることが科学的にわかっています。それでも麻薬中毒の人が麻薬をやめられないのと同じで、依存症になってしまうと自分の意思や努力だけではコントロールできなくなるんですね。

 特に、30歳までは前頭葉が未発達で、自己コントロールが難しくネット依存になりやすいため、いったん依存症になると簡単に抜け出せなくなります。だから、巨大テック企業は若い世代をターゲットにした商品やサービスを次々に開発しているのです。