将来の利下げ織り込んで
長短金利の逆ザヤ拡大

 FRB(米連邦準備制度理事会)は12月13、14日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で、それまで連続4回、0.75%ずつの利上げを行っていたのを、利上げ幅を0.50%に縮小した。

 パウエル議長は今後も利上げを継続する方向ははっきりと示したが、市場は利上げ幅縮小を利上げ終了に向けた大きな転機とみている。

 10月に一時4.3%まで上昇した米10年国債金利は、利上げ終了を先取りする形でこのところ3%台半ばまで低下してきていたが、今回の利上げペースの減速を受けて翌日物のFF(フェドファンド)金利は約4.3%に上昇し、10年債金利との逆転は0.8%を超えるまでになっている。

 市場では、最終的なFF金利の水準はピークには4.8~5.0%に達するとの見方が多い。そうなった時点で10年債金利が仮に現状程度の水準を継続していた場合、短期金利との逆ザヤは1.3%~1.5にも達する。

 これだけの逆ザヤが許容されるのは、市場参加者が、この逆ザヤはいずれ解消に向かう、つまりFF金利の低下が急速に進むとみているからだろう。