本書の要点

(1)「責任感モード」が強くなり過ぎたら、肩の荷をおろして自分に優しくしよう。
(2)「ナルシストほど心理的に健康」という研究結果がある。自分のことを好きになるために、まずは自分のいいところを紙に100個書き出してみよう。
(3)自分に自信をつけるために、まずは勝てる土俵で勝負して「勝ちの味」を覚えよう。自信がつけば、難しいことにもチャレンジしていける。
(4)望む結果を手に入れるには「プロセス・シミュレーション」が効果的だ。結果だけをシミュレーションするのではなく、その結果を手に入れるまでのプロセスを細かく思い描く。

要約本文

【必読ポイント!】
◆「ほどほど」でいいと決めたら心が楽になる。
◇肩の荷を下ろしてみる

 何でも自分でやらないと気が済まない、他の人に任せたり頼ったりするのが苦手――。責任感が強いのはいいことだが、度が過ぎると、私たちの心は疲れて悲鳴を上げてしまう。カナダのコンコルディア大学のカーステン・ロッシュは、うつ病は責任感が強く、物事を投げ出さない人に多く見られると指摘している。

 真面目なあなたには、たまには「肩の荷をおろす」ことを自分に許してあげてほしい。「きっと上司がフォローしてくれる」「自分が無理に頑張っても状況は変わらない」「ムキになっても疲れるだけだ」「たまたま天気がよくなかったせいだ」といったように、気を楽にしてみてはどうだろうか。「責任感モード」が強くなり過ぎたら、自分に優しくしてもいいのだ。

◇他人の顔色はうかがわない

「相手に失礼なことを言ってしまったかも」「彼女はいったい何を考えているんだろう」などと、私たちは他人の顔色をうかがいがちである。でも、相手の顔色を正しく読み取ることは不可能だ。そんな不毛な作業に神経を使うのはもうやめよう。

 顔色をうかがってばかりだと、言いたいことが言えなくなってしまう。言いたいことを言わず我慢している人は、自分だけでなく相手をもイライラさせてしまうと、米国クイーンズランド大学のメリンダ・ハーパーは明らかにしている。