先ほどマンション価格は値上がりしたと述べたが、特に最近、新築マンションは高くなった。「コロナ特需」が発生し、買い手が増えたことで、同じ新築物件でも時期によって2割以上単価が上がるケースもあった。
そんな中、割安な新築物件は非常に少なくなったし、立地も以前より悪化したように感じる。「この場所でこの価格か」と悪い意味で驚かされる価格設定の物件もある。
その実態を踏まえて、本連載の記事『新築マンションで「不適正価格」が横行する理由、購入時の大損リスクに警鐘』では、新築購入における大損リスクを説いた。
適正価格よりも高い水準で新築物件を買ってしまうと、資産価値が下落した際に売るに売れず、重たい住宅ローンに苦しむことになる。詳しくは記事を読んでほしいが、このリスクは数千万円に及ぶ場合もあるので注意しておきたい。
しかし、その価格高騰の理由が「用地仕入れ価格」にあることが分かれば、「用地を買っていない物件」を探せばいいことになる。それには、借地権・建て替え・再開発の3パターンがある。
確かに、これらの物件は価格がリーズナブルなケースが多い。その分、売れ行きも早いので、目ざとくアンテナを張っていないと気付くのが遅れることがある。こうした物件はスピード勝負で「第1期」に買うことを目指したいものだ。
新築がかなり割高ゆえに、今年は中古購入を推奨してきた。マンションのコロナ特需はだいぶ収まってきたが、まだ続いている。そんな中、買いたい人は新築より中古を丹念に探した方が価格交渉できるのでリーズナブルに買える可能性が高い。
中古売り出し価格は一時期、「適正価格の2割増し以上」だったが、現在はその水準からかなり下がってきた。そのため、筆者が購入相談に乗っている人が買えるケースも増えてきた。
逆にいえば、中古マンションを売りたい人は、価格が下がらないうちに、早めに高値売却を目指した方がいい。高く売れる時期は今のうちである。