師走の内閣でも失言の嵐

「今を生きる国民が自らの責任として対応すべきもの」 (岸田文雄首相、12月13日の自民党役員会での発言)

 2027年度には防衛費を今の2倍に当たるGDP2%へ増額することが決定。岸田内閣は支持率が低下する一方だが、防衛費増額についての世論は賛否が拮抗している。

 そんな中報じられた「国民自らの責任」発言。これは茂木敏充・自民党幹事長が記者会見で岸田首相の言葉として紹介したものだったが、14日になって政府高官が「国民が」ではなく「我々が」だったと説明した。

「我々が」と「国民が」ではだいぶ意味合いが変わってくるが、果たしてどうなのか……というところで続いたのがこちら。

「賢明な日本国民は必ず理解していただけると思います」(甘利明前幹事長、12月15日の会合後、記者団に発言)

 防衛費増額とそれに伴う増税について、「いま対応することは、いまを生きるわれわれの全員の責任だと思いますから、そのことをしっかり説明し、理解をいただく。賢明な日本国民は必ず理解していただけると思います」と発言。まるで反発する国民は賢明ではないとでも言うかのようだ。

 岸田首相にしても甘利氏のこの発言にしても、「しっかり説明し、理解をいただく」姿勢を見せるだけにとどまっているように見えるのは、どういうことなのだろう。

 政治家の失言が報道されると、怒りやあきれの声があふれる。一方で失言は、普段は政治に関心の薄い層が関心を持つきっかけにもなる。2023年にはどのような失言・珍言が飛び出すか。政治家の方々には襟を正していただきたいし、納税者たちは目を光らせていきたい。