大きな変化としてはまず、見た目が変わるだろう。ヨドバシの旗艦店である新宿西口本店やマルチメディアAkiba、梅田タワーなどでもみられる光景だが、建物の側面や壁にはメーカーのロゴやマークが入るであろう。

 さらに、既存の百貨店とは異なる店作りに挑むかもしれない。例えば次のようなものだ。

 まず、いくら、そごう・西武が赤字といえども、全国の百貨店売り上げランキング(2021年度。日本百貨店協会)では、高島屋に続いて第2位の4404億円の売り上げを誇る。いまある百貨店としての機能をなくすことはしないはずだ。

 だが、売り場の集約をはかりヨドバシを入れ、専門店を誘致するのではないだろうか。

 実は、その先行事例と思われる店作りが大阪・梅田の地域最大級、複合商業施設「LINKS UMEDA」に見られる。LINKSという名前が示すように、ヨドバシのマルチメディア梅田とその専門店テナント約200店とが一体になることで顧客の利便性の向上などを目指していくという。ここは、日本最大級の複合商業施設になっている。

 これまでも百貨店は、ブランドなどに出店してもらい、販売員を派遣してもらっている。

 その部分が一層強化され、「箱貸し」がさらに明確になるのではないか。また「箱貸し」して多数の専門店の出店を募るというのは、郊外の大規模ショッピング・モールがまさにそれであるが、同様の店作りを行い、結果的に「郊外にある大規模ショッピング・モールを駅前に持ってくる」という新たな試みになるのではないだろうか。