経済的に恵まれない母子家庭に育ち、高校・大学は奨学金を借りて卒業。そのため、1000万円に迫る“奨学金という名の借金”を背負うことになった。そこで、郷里に母を残して上京、東京国税局の国税専門官となった。配属を希望したのは、相続税調査部門。「どうすればお金に悩まされずに済むのだろう?」と考え「富裕層のことを知れば、なにかしらの答えを得られるのではないか?」と思い至ったからだった。国税職員のなかでも富裕層が相手となる相続税を担当するのは、たった1割ほど。情報が表に出てくることはほとんどない。10年ほど携わった相続税調査で、日本トップクラスの“富裕層のリアル”に触れた『元国税専門官がこっそり教える あなたの隣の億万長者』(ダイヤモンド社)の著者が、富裕層に学んだ一生お金に困らない29の習慣を初公開する!

【国税OBが明かすお金】億万長者の自宅をつぶさにチェック…“意外な事実”がわかったPhoto: Adobe Stock

富豪相手の相続税調査とは?

【前回】からの続き 相続税調査は、基本的に公務員の勤務時間内に、朝10時頃から夕方の4時頃まで行われます。訪問先からは迷惑がられることが多いのですが、仕事なので仕方ありません。

午前中は相続人の方から聞きとり調査をして、お昼の休憩を挟んで、午後からは「現物確認」をするのが基本的な流れです。現物確認というのは、相続税申告に関する資料などを確認する作業のことです。

具体的には、預金通帳や土地の権利書などに目を通して、申告内容に漏れがないかをチェックします。そして、最後にあらためて質問をするなどして、その日の調査は終了します。

億万長者の自宅を
つぶさにチェック

私は上司から指導されて、「現物確認のときは資料をもってきてもらうのではなく、資料の置き場所に案内してもらう」ということを徹底していました。というのも、資料をもってきてもらうと、資料の一部を隠されるおそれがあるからです。

そのため、あえて資料の置き場所まで案内してもらいつつ、部屋のなかに怪しいものがないかどうかもつぶさにチェックするのです。さらには、その部屋に案内されている途中、ほかの部屋もさりげなく見て、骨董品や金庫などの財産がないか、目を光らせます。

富裕層の自宅の“意外な印象”

このような経験を通じて感じたのが、富裕層の家には、あまりモノがなく整然としているということでした。広い家が多いものの、高級家具や骨董品がたくさん並んでいるわけではありません。普通の家よりも、むしろスッキリした印象なのです。

富裕層に対する質素な印象は、その後、何度となく相続税調査をしてからも、大きく変わることはありませんでした【次回に続く】

※本稿は、『元国税専門官がこっそり教える あなたの隣の億万長者』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。