2022年1月1日に施行された改正電子帳簿保存法。ルールの複雑さ故に2年の経過措置が設けられたが、24年1月1日から本格的にスタートする。緩和措置があるものの、多くの企業にとっては新たなルールに縛られることになる。特集『個人も企業も大混乱! インボイス&改正電帳法の落とし穴』(全15回)の#13では、改正電帳法で押さえておくべきルールについて徹底解説する。(公認会計士・税理士 川崎晴一郎)
電子データで受け取った請求書は
新たなルールに従う必要あり
2022年1月1日に施行された改正電子帳簿保存法(以下、改正電帳法)は、電子データで受け取った請求書は新たなルールに従って電子データで保存しなければならないなど、経理実務において大きな負担を伴う改正となった。
もっともその実務の煩雑さ故、直前の21年12月に発表された22年度税制改正大綱において、2年間の経過措置が急きょ設けられ、改正電帳法の本格スタートは24年1月1日からとなっている。
それから1年後、改正電帳法の本格スタートまであと約1年に迫った22年12月半ばに発表された23年度税制改正大綱では、さらに制度の一部が見直された。とりわけ資金不足や人材難に苦しんでいる中小零細企業での対応が遅れていることから、改正電帳法の大きな難関の一つであった電子取引の保存要件が見直され、条件次第では経過措置のまま据え置かれることになったのだ。
とはいえ、その条件には、売上高が5000万円以下であるなどの縛りがあるため、多くの企業に影響が出ることは必至だ。
そこで、次ページでは、改正電帳法の概要に加え、絶対に押さえておくべき「三つのルール」について解説していこう。