解決案に対する
団体の対決手段
韓国政府は、行政安全部傘下の日帝強制動員被害者支援財団(以下、財団)が基金を募金して元徴用工に判決金を支給するとしているが、団体は、元徴用工に判決金を受領させない方針である。団体は、戦犯企業による基金への拠出と日本側の謝罪が前提になってこそ、今回の解決案を受け入れるという立場を固守している。
中央日報は、団体による対抗手段を次のように分析している。
判決金を肩代わりしようとする財団と元徴用工側の衝突は結局、裁判所供託手続きに帰結する可能性が高い。この場合、財団は判決金を裁判所に供託して法的に債務を終了させようとするはずで、これに対抗して元徴用工側は「供託無効訴訟」を提起する可能性がある。解決案は結局、問題を解決できないまま、法律紛争につながるという懸念が出ている。
さらに中央日報は、そうなれば「葛藤が長く続く混乱した状況が続くだろう」と指摘。そのため韓国政府と財団は、元徴用工との法律紛争などを懸念し、ひとまず判決金は準備しておくものの、実際の支給は日本企業の拠出が確定した後に先延ばしする案を検討している。
しかし、日本政府は、解決案に対する韓国国内での反応を見守っている状況である。韓国の財団が判決金の支払いを遅らせる場合、日本企業の基金への拠出を認めるとしても、韓国の財団の判決金支払いが始まるまで、日本側の拠出の黙認をちゅうちょすることも考えられる。韓国政府は、団体の反対をいかに回避するか考えるのが先決であろう。