最新モデルは
初期型よりも全体的に洗練された印象
走りは豪快にして痛快。DSGの歯切れのよいシフトチェンジが気持ちいい。走行モードでレースを選択すると一段と瞬発力が増し、サウンドは低音が強調される。俊敏なハンドリングもRらしい。T-Rocはホイールベースが短く回頭性が十分に確保できることから、ティグアンRのようなリアのトルクベクタリング機構は設定されていない。だが、後ろから上手く押し出してくれる感覚があり、立ち上がりもスムーズに曲がっていく。
もう1台のお勧めは、ディーゼルのRラインである。T-Rocのキャラによく似合う。2Lの排気量から150ps/340Nmを発揮するディーゼルは本当によくできている。低速から力強く、爪先の微妙な加減でトルクを意のままにコントロールできる。音や振動もディーゼルとしてはかなり抑えられている。DCC付きなら乗り心地も上々だ、それでいてスポーティな走りに応える懐の深さを持ち合わせているのだから申し分ない。
最新モデルは、初期型よりも全体的に洗練された印象を受けたこともお伝えしておこう。
(CAR and DRIVER編集部 報告/岡本幸一郎 写真/小久保昭彦)