誰しも悩みや不安は尽きない。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』から生まれた『精神科医Tomyが教える 心の執着の手放し方』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれるvoicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」の“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日がラクになる!

【精神科医が教える】<br />新しい職場で頑張るぞ…と考える人の残念な“勘違い”Photo: Adobe Stock

新たな環境に飛び込む人は要注意

4月になれば、新たな職場に異動する人も多いでしょう。多くの人が新しい環境に飛び込むことになる時期ですが、新参者というのは要注意です。

安定していて居心地がいい組織の場合、新参者はネガティブに受けとられがちです。うまくいっているわけですから、現状維持したいのが人情というもの。そこに新参者がやってくると、多かれ少なかれ現状の環境に影響を与えます。

もちろん、みんな大人の対応をして歓迎ムードをつくり、あからさまに拒絶反応を示す人は稀(まれ)でしょうが、内心では心穏でない人もいます。なかには、敵意を抱く人もいることでしょう。

新参者は厳しい目に晒(さら)されがち

逆に、辞めて去っていく人が多いようなブラック職場の場合、新参者はあたかもヒーロー扱いされることがあります。職場環境が悪いところに新しい人が加わることによって、なにかが変わるかもしれないという淡い期待からです。

ところが、しばらくしてからなにも変わらないことがわかると、今度は逆に冷たい視線に晒される可能性が出てきます。つまり、もともといい環境でも、ブラックな環境でも、結果として新参者は厳しい目に晒される可能性が高いわけです。

“ちょうどいい姿勢”とは?

そうならないためには、新たな環境に飛び込むとき、あまり期待をもたせないような姿勢で入ることが有効です。よくも悪くも既存の環境に影響を与えなさそうな雰囲気を醸し出すということです。別のいい方をすると、“ちょっと頼りないような存在”くらいがちょうどいいということです。

最初から頑張りすぎず、あまり目立たないようにして、ある意味、飄々(ひょうひょう)とした姿勢で新たな環境に臨む。「なにもできなくて申し訳ありませんが、みなさんの足を引っ張らないように、粛々(しゅくしゅく)と働きます」くらいの態度。さらにいうと“ただそこにいるだけでいい”くらいのポジショニングです。

あえて消極的な姿勢でいい

そうやって最初から焦らずにやっていると、時とともにだんだん居心地がよくなってくるはず。とても消極的な姿勢に思えるでしょうけれど、アテクシの経験からしても、結局のところこれが新たな組織に馴染みやすい方法だと思うんです。

ある程度、落ち着いてきたところで、自分の本領を発揮すればいいでしょう。最初から前のめりになって気合いを入れすぎると、期待感の高まりとともに敵意を向けられやすくなります。いろいろとやりづらくなりかねませんから、ご注意あれ。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 心の執着の手放し方』(ダイヤモンド社)の著者が日々お届けする“心のサプリメント”です。