2022年に提出された大量保有報告書の件数は1万1694件と昨年の1万2470件より6.2%減少となった。また保有目的欄に「重要提案行為等を行う」と明記された報告書件数は100件と昨年の98件とほぼ同数だった。(M&A Online編集部)
かつてのアクティビスト(物言う株主)は標的企業に対し、水面下で資本効率の改善や株主還元を働きかけていたが、最近は表立って行動している。コーポレートガバナンス改革の流れの中で、議決権行使の個別開示制度が導入されたことや持ち合い株の解消が進んだことが背景にある。
2022年はアクティビストの提案に賛成票を投じる機関投資家の動きが目立った。例えば、英アクティビストファンドのシルチェスター・インターナショナル・インベスターズは、岩手銀行、滋賀銀行、京都銀行、中国銀行の地銀4行に対し、特別配当を求める株主提案を行う書簡を送ると表明した。この株主提案は賛否が分かれたが、農林中金や三井住友DSアセットマネジメント、ゴールドマンサックスなどが賛成した。