ニュースで見聞きした国、W杯やオリンピックの出場国、ガイドブックで目にとまった国――名前だけは知っていても「どんな国なのか?」とイメージすることは意外と難しい。『読むだけで世界地図が頭に入る本』(井田仁康・編著)は、世界地図を約30の地域に分け、地図を眺めながら世界212の国と地域を俯瞰する。各地域の特徴や国どうしの関係をコンパクトに学べて、大人なら知っておきたい世界の重要問題をスッキリ理解することができる画期的な1冊だ。この連載では、本書から一部を抜粋して世界の国を紹介する。
サモア独立国ってどんな国?
サモア独立国は、南太平洋に浮かぶ、ポリネシアに属する島国です。サモア諸島のうち、西経171度より西の2つの火山島を主島とする9島から成る国です。
熱帯気候に属し、11月から4月は雨が多いですが、5月から11月はしのぎやすい気候です。
サモア諸島は1889年にアメリカ、ドイツ、イギリスの共同保護領となり、1899年にドイツが西サモアを、アメリカが東サモアを領有しました。
1919年に西サモアはニュージーランドの国際連盟委任(のちに国際連合信託)統治領となり、1962年に独立し、1997年に国名を「西サモア」から「サモア独立国」に変更しました。
東サモアはアメリカ領サモアとして続いており、独立国とアメリカ領の2つのサモアが存在しています。
ニュージーランド、オーストラリア、南太平洋の国々との関係を重視していますが、とくにニュージーランドとの関係が深いです。軍隊を持ちませんが、友好条約により有事の際はニュージーランドが支援し、貿易、とくに食料品の輸入についてもニュージーランドに頼るところが大きくなっています。主産業は農漁業と観光業で、マグロやカツオなどの魚介類の輸出が多いです。
議員の選び方に特徴があり、伝統的な各地域の伝統的指導層(村落の首長)であるマタイの制度が維持され、議会定数のほとんどの議席は慣習的にマタイとなっています。
サモア独立国
面積:2831km2 首都:アピア
人口:20.5万 通貨:サモア・タラ
言語:サモア語(公用語)
宗教:プロテスタント54.9%、カトリック18.8%
(注)『2022 データブックオブ・ザ・ワールド』(二宮書店)、CIA The World Factbook(2022年2月時点)を参照
(本稿は、『読むだけで世界地図が頭に入る本』から抜粋・編集したものです。)