40〜70代の需要の掘り起こしと
SDGsへの対応が鍵
そこで新たな販路開拓に向け検討しているのが、同社のターゲット層でもある40~70歳代で睡眠に悩む層に響くマーケティングだ。高級老人ホームへの展開のほか、マッサージ店やエステサロンでの店頭販売を狙う。施術の際に利用者にリフランスの着用を促し、血流促進などの効果を体験してもらうわけだ。
「マッサージやエステを利用する人は体に何か問題を抱えているから来店するのであってリフランスとの相性がいい」と考えるからで、施術後の購入につなげる。
効果を実感した利用者の声掛けで新たな顧客が生まれる可能性を広がることも期待する。店舗側も施術料金に加え、卸販売での利益積み上げが見込めるので、ウイン・ウインの関係を構築できる。石黒社長は「安定的に売れるようになるには体験の場を創ることに尽きる」と言い切る。
今後の商品展開ではSDGs(持続可能な開発目標)も見据える。アパレル業界で浸透するエシカル(倫理的行動)消費のニーズを受けて、22年春夏向けから新商品を発売した。業界他社に先駆け環境に優しい製造工程で作った「木材繊維」や、紡績工程で出る二酸化炭素(CO2)排出量を約17%削減した「脱炭素糸」を使って商品化した。
秋冬向け商品でも環境に配慮したパジャマやインナー(肌着)などにもエシカルを取り入れたリカバリーウエアをメインに据えた。染色工程で水の使用量を削減したり、廃棄される落ち綿などを再利用したりした綿、農薬や化学肥料を使わずに生産したオーガニックコットンなどを使用した。
来年以降も環境に配慮した商品開発に注力し、30年までに既存商品を含めた全ての原材料をサステナブル素材に切り替えていく計画だという。