◇たまには厳しく言う
誰かと話すときには、当然ながら相手への配慮が必要だ。だが、たまには遠慮せずに言っていいし、少し感情的になってもいい。大切なのは「あなたが相手のことをどう思っているか?」という気持ちの部分だ。
また、ときには少しレベルの高いことを話すべきタイミングもある。最初は手応えを感じないかもしれないが、いつか必ず芽が出る。そう信じて伝え続けていこう。
◇「おそれ」ではなく「愛」をベースにする
うまく話せなくても、相手への愛に基づいた発言は、必ず相手に伝わる。逆に、どれだけうまく話したとしても、それが自分をよく見せるためだったり、嫌われないためだったりしたら、決して伝わらない。人は相手の心の奥を見抜くセンサーを持っているのだ。
人のモチベーションには大きく分けて「愛」と「おそれ」の2種類がある。どちらをベースに人と向き合うかで、相手への伝わり方は変わる。
例えば「嫌われたくない」という「おそれ」をベースにしたとき、心のベクトルは自分自身に向かう。そうなると、誰かを引き合いに出したり、責任や決断から逃れようとしたりしてしまう。その結果、相手はあなたの「おそれ」を敏感に感じとる。
一方、「愛」のモチベーションで話しているとき、心のベクトルは常に相手の幸せに向いている。だからこそ、自分自身がどう見られようと、いくら相手に嫌われようと、大切なことを伝えられるようになる。
あなたは「愛」と「おそれ」、どちらのモチベーションを軸にしているだろう。
◇部下を大切にし、自己重要感を与える
話し方において本質的に大切なのは、スキルよりメンタル、つまり「どんな思いで話しているか?」だ。これをもう少し深めると、「下の立場の人の存在をどう捉えているか?」となる。上の立場でふんぞり返るのではなく、下から次世代を押し上げるという意識でいれば、話し方はおのずと変わっていくだろう。
下の世代を幸せにするために、相手と本気で向き合って話をし、未来に夢を描かせよう。リーダーの究極の存在意義とは「そのポジションの力を使って、部下たちに自己重要感を与えること」なのだ。