職場で困っている人を見かけても、「おせっかいだったらどうしよう…」と躊躇したり、「たぶん大丈夫だろう…!」と自分に言い訳したり……。
気づかいをするときには、つい「心の壁」が現れてしまい、なかなか一歩が踏み出せないことが、あなたにもあるのではないでしょうか?
この連載では、「顧客ロイヤルティ(お客さまとの信頼関係づくり)」をベースに、ビジネスセミナーへの登壇やコミュニケーションスキルの研修講師を通して、全国200社・2万人以上のビジネスパーソンに向けて教えてきた『気づかいの壁』の著者、川原礼子さんが、「気がつくだけの人」で終わらず、「気がきく人」に変われる、とっておきのコツをご紹介します。
メールを受け取ったときのストレス
あなたのメールは、相手にとって読みやすいものでしょうか?
営業先に資料を送っても、もしかすると、一度も読まれていないかもしれません。
たとえば、顧客から「今日オンライン会議でご紹介いただいた商品の資料があれば、PDFで送ってほしい」というメールが来たとします。
ほとんどの場合は、
ダメなメール例:
本日ご覧いただいた資料を添付いたします。
ご質問などございましたら、遠慮なくご連絡ください。
と、添付ファイルや該当のURLを貼り付けて返信するかと思います。
ただ、その資料が複数ページある場合、相手は該当箇所を探すのに手間取ります。これは、相手からすると案外、面倒な作業です。
そこで、相手が少しでも早く、ほしい情報に辿り着けるように、必要なページや箇所を限定して箇条書きにするのです。
それが、次のようなメールの文面です。
いいメール例:
本日ご覧いただいた資料を添付いたします。
なお、会議内でご紹介した商品は以下のページにございます。
・商品A:2ページ、3ページ
・商品F:5ページ
ご質問などございましたら、遠慮なくご連絡ください。
こうすることで、メールを受け取った人は30秒くらいの時間を節約できるはずです。
たかが一手間ですが、されたほうはストレスが減り、気持ちよく読んでもらえるのです。
ダラダラ書かずに
「箇条書き」でスッキリさせる
ちなみに、箇条書きを使わずに同様のメールを書くとこうなります。
ダメなメール例:
さっそく、資料を添付させていただきます。ご要望の商品Aにつきましては、添付資料4ページにございます。商品Fにつきましては5ページ目にございますので、ご参照のほど、よろしくお願いいたします。ご質問などございましたら、遠慮なくご連絡ください。
どうでしょう。長い文の中に大事な事柄が埋もれていますし、参照しにくいですよね。
せっかくの親切も、伝わらなければ、無いも同じです。
箇条書きのメリットは、パッと見てパッとわかることです。
相手が確認したり読んだりすることに時間や負担をかけないようにできてこそ、気づかいになるのです。