乳がんの薬物治療には、ホルモン療法、分子標的療法、化学療法がある。がんのタイプは「ホルモン受容体陽性」「HER2陽性」「トリプルネガティブ」といったタイプに分かれ、このタイプによって治療の選択が検討される。“新世代薬”はそこに大きな変化を起こそうとしている。特集『選ばれるクスリ』(全36回)の#35では、乳がん治療薬の処方患者数ランキングを公開するとともに、新世代薬台頭の動向を追う。(ダイヤモンド編集部副編集長 臼井真粧美)
ホルモン療法や分子標的薬など検討
“新世代薬”台頭で大きな変化も
乳がんの薬物治療は、手術前にがんを小さくする術前補助療法、手術後に再発リスクを下げる術後補助療法、手術ができない進行がんへの治療などがある。
治療法にはホルモン療法、分子標的療法、化学療法があり、その選択を検討するために、がんの増殖に関わる女性ホルモンの受容体や細胞の増殖に関わるHER2といったたんぱく質ががん細胞にあるか否かを調べる。
では、病院など医療機関では具体的にどんな薬が選ばれているのか。ダイヤモンド編集部は、医療情報サービスを手掛けるメディカル・データ・ビジョン(MDV)とDeSCヘルスケアのデータを基に乳がん治療薬の処方患者数ランキングを作成した。
次ページでは、乳がん治療薬の処方患者数ランキングを公開するとともに、大きな変化をもたらす“新世代薬”台頭の動向を追う。