走り出しから滑らか、手頃なパワーで扱いやすい
今回の試乗車は、導入記念に設定された充実装備バージョンの「ID.4 Pro ローンチエディション」だった。Proには、ブラックのルーフとシルバーのルーフレール、そして20インチのアルミホイールが備わる。ちなみにLiteは、モノカラーで18インチホイールになる。
クルマに近づくとキーを携帯していれば、自動で解錠し、シートに座ってブレーキペダルを踏むだけでシステムが起動する。足元に目をやると、アクセルペダルには再生マーク、ブレーキペダルに一時停止マークをモチーフとしたアルミ調ペダルクラスターが配されていた。デジタル感を感じさせる遊び心のある演出だ。
走り出しはいたって滑らか。電気自動車ゆえ0回転から最大トルクを発揮するので、アクセル操作に瞬時にレスポンスし、意のままに動く。高速道路での合流時などもスムーズに走行できる。204psなので大パワーというわけではないが、とても扱いやすい。ドライブモードは、エコ、コンフォート、スポーツ、そしてカスタムの4つが用意されているが、スポーツでも劇的に変化するわけではないので、コンフォートがちょうどいい。
ADAS(先進運転支援システム)ももちろんフル装備で、この試乗車は同一車線内全車速運転支援システム “Travel Assist”を標準装備していた。これをセットしておけばアクセル操作とブレーキ操作、そして車両が車線の中央に留まるようにステアリング操作をサポートしてくれるので、ドライバーはステアリングを握っていれば、ほぼ自動運転感覚が味わえる。安全かつ快適に長距離ドライブをこなすためには、いまや欠かせないアイテムといえるだろう。
充電に関しては、普通充電(200V)と急速充電(CHAdeMO規格)の両方に対応する。家に6kWの普通充電器を設置すれば、バッテリー残量0%からLiteで約9時間、Proでは約13時間で満充電になる。一方で、全国246拠点のフォルクスワーゲン正規販売店のうち、ID.4取り扱い店舗である158拠点に90kW以上の急速充電器が順次導入されている。さらにフォルクスワーゲングループであるアウディ、ポルシェと提携し、各ブランドのディーラーネットワークまたは都市部に展開する急速充電器ネットワークを利用できる、プレミアムチャージングアライアンスも開始された。今後ますます使い勝手は良くなっていくはずだ。