最後は、椅子に座った状態で、両方の手のひらを体に当てたまま、ゆっくり動かす(別掲6)。まず、両手をそれぞれの太ももの上に置き、手を体に当てたまま、1から3までゆっくり数えながら、手を胸まで上げる。手は体に当てたまま、同じく1から3までゆっくり数えながら、手を太ももの上まで下ろしていく。宮崎さんは「呼吸が大事」と強調する。
うまく眠れない、すっきり眠れないのは「寝返りを上手に打てないことが多い」と言うのは、柔道整復師の田中宏・睡眠整体協会会長。
田中さんは「いかに正しく寝返りを打てるかを一つの目標にするといい」と話し、三つのストレッチを紹介する。
あおむけに寝るのが基本で、枕は通常、後頭部をのせるが、首の後ろに置くのがいいという。
その際、後頭部が布団につかない人は、ストレートネックと呼ばれ、立ったときに前かがみの姿勢になっていることが多い。そういう人は、首の後ろに枕を当てて寝た状態で、両ひざを曲げて立て、お尻を浮かせると、後頭部が布団につく。ゆっくりとお尻を下ろしていき、足を伸ばす。
腰がそり返っている人は、寝たときに腰と布団との間に、かなりのすき間ができるという。そり腰を直して布団を密着させるため、片足のひざを曲げて立て、もう片方のひざも曲げて立てると、腰と布団がぴったりとつく。その後、片足ずつ、足を伸ばしていく。
最後は、寝返りを上手に打つため、寝た状態で両足のひざを折り曲げ、左右に倒す。左右に5回ずつくらいがいい。次に、上半身も左右に倒す。これにより、「寝返りが上手に打てるようになる」と田中さんは話す。
寝るのは、和室の畳の上に「せんべい布団」を1枚敷いたくらいがいいそうだ。ふかふかのベッドもいいが、体のゆがみを矯正しようと長期的に考えるなら、寝具は硬めがいいという。
諏訪中央病院の鎌田實名誉院長は、日常生活にさまざまなストレッチを取り入れている。眠れなかったときに行うストレッチもその一つ。