インターネット証券最大手のSBIホールディングスが、今年9月までに国内株式売買手数料の完全無料化に踏み切る。1999年の自由化以来、手数料の値下げ競争を繰り広げてきた業界において、いわばSBIが仕掛ける“最終戦争”だ。国内初の完全無料化は、SBIがもくろむ業界再編のトリガーとなり得るのか。そしてライバル各社に対抗策はあるのか――。特集『ネット証券 ゼロの衝撃』で3月6日(月)から11日(土)の全6回にわたり、その最前線に迫る。(ダイヤモンド編集部 岡田 悟)
#1 3月6日(月)配信
SBIの売買手数料無料化は楽天証券の「上場潰し」!?マネックス、松井証券は生き残れるか
SBIホールディングスの北尾吉孝会長兼社長が2019年にぶち上げた手数料の完全無料化。それは業界2位、楽天証券ホールディングスの上場計画にも直撃する。マネックスグループや松井証券らへの影響度も計り知れない。果たして生き残りは可能なのか。
#2 3月7日(火)配信
SBIと楽天証券しか「手数料ゼロ」ができない理由、ネット証券5社の無料化インパクトを独自試算
SBI証券が仕掛ける手数料完全無料化に、ライバルは対抗できるのか――。ダイヤモンド編集部は、主要5社が明確に公表していない国内株式の売買手数料率を独自に推計。さらに収益に占める手数料依存度を可視化し、その金額を営業利益と比較した。SBI以外の各社が無料化に追随した場合の影響度を解明する。
#3 3月8日(水)配信
SBI北尾会長の「後継候補」に浮上した3人の実名、最強ネット金融帝国に迫る“賞味期限”
営業収益8000億円をうかがうインターネット金融コングロマリットを20年余りで築き上げたSBIホールディングスの北尾吉孝会長兼社長も、御年72歳だ。異形の経営者の後継候補として3人の名前が挙がっているが、最強ネット金融帝国の“賞味期限”も迫っている。
#4 3月9日(木)配信
楽天証券「苦難の上場計画」に交錯する思惑、三木谷帝国から“脱出”したい?
楽天グループ本体の金策のために上場を計画しているのが楽天証券ホールディングス(HD)だ。SBI証券が仕掛ける完全無料化の直撃は避けられず、「苦難の上場」となりそうだ。もっとも楽天証券HDの現経営陣からすれば、上場は「三木谷帝国」からの脱出との側面もあり、株主のみずほフィナンシャルグループを含む各者の思惑が入り乱れる。
#5 3月10日(金)配信
松井証券社長に聞く、SBIの手数料無料化に「追随しない」と宣言した理由
インターネット証券のパイオニアとして1990年代に注目された松井証券。外部から招聘された和里田聰社長は、SBI証券の無料化には追随しないと宣言。外国為替証拠金取引(FX)の強化など多角化を加速させる。その狙いと成否に迫る。
#6 3月11日(土)配信
三菱UFJ系列のauカブコム証券トップが語る、「手数料以外の付加価値」とは?
auカブコム証券の二宮明雄会長兼社長は、手数料以外に付加価値を見いだすと強調。メガバンクと大手携帯キャリアという顧客基盤を生かしつつ、システム強化で規模拡大を狙う。
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