パナソニック写真:つのだよしお/アフロ

パナソニックホールディングス(HD)の楠見雄規社長が4月1日から始まる新年度で就任から3年目に突入する。いまだ前社長の津賀一宏氏が登用した役員が上層部として残る“居抜き”経営が続いており、楠見氏の独自色が反映された人事は発動されていない。役員人事の停滞は、若手人材の登用にも悪影響を及ぼし始めている。(ダイヤモンド編集部 村井令二)

楠見政権は3年目に突入
それでも経営上層部は「津賀人材」ばかり

 4月1日、持ち株会社パナソニックホールディングス(HD)が発足してちょうど1年を迎える。同時に楠見雄規政権が誕生して2年が経過。3年目に突入するというのに、経営幹部に目立った新顔は見られない。

 いまだ社長の楠見氏を支える経営幹部の体制は、前社長の津賀一宏・現会長を支えた有力幹部がずらりと並んでおり、役員人事において楠見カラーは全く打ち出されていない。

 持ち株会社化への移行で、パナソニックHDの傘下に、白物家電、車載電池、企業向けシステム、電子部品など八つの事業会社がぶら下がることになったが、主力事業会社のトップは全て津賀政権を支えた側近だ。

 2月末に発表された4月1日付の役員人事でも大幅な変更はなく、津賀政権時代の役員が楠見政権の中核を担う体制が継続することになった。楠見政権の上層部人事は明らかに膠着(こうちゃく)化しており、若手世代の人事や後継トップ争いに与える影響は大きい。

 次ページでは、就任から2年間、楠見氏自らが役員人事の采配を振らなかった理由を明らかにするともに、人事が硬直化する中でおぼろげながら見えてきた「次期後継レース」の行方を見通す。