三菱商事で5年ぶり副社長復活、次期社長レースの有力候補に浮上した人物の実名Photo:SOPA Images/gettyimages

三菱商事が5年ぶりに、副社長ポストを復活させた。中西勝也社長が副社長に選んだのは、最高益の立役者だった。4月から始まる中西新体制では新たに4人が常務へと昇進し、脱炭素戦略を推進するための部門も新設された。副社長ポスト復活の背景や次期社長レースの行方について、中西人事を読み解く。(ダイヤモンド編集部 大矢博之)

5年ぶりに副社長ポスト復活
常務も4人が昇格の中西新体制

 三菱商事が5年ぶりに副社長ポストを復活させた。4月1日付の新体制で、金属資源グループ(G)CEOの田中格知常務執行役員が副社長執行役員に昇格した。

 三菱商事が副社長を置かなくなったのは、前社長の垣内威彦体制になってからだ。元社長の小林健体制では最大5人の副社長がいた。しかし、2018年に田辺栄一氏が副社長を退任して以降、副社長ポストは空席のままだった。

「副社長を廃止したわけではない。副社長を置く、置かないは適材適所を踏まえ、その時の経営陣が決める」(三菱商事広報)とするものの、社内では垣内氏が自らの権力基盤を固めるためだったという見方がもっぱらだ。

 しかし人事の慣例を壊し、中央集権化を進めた垣内体制への社内の不満や反発は高まっていた。22年4月に社長に就任した中西勝也氏が副社長を復活させたのには、社内融和の狙いもあるのだろう。

 また、多くの日本企業では、副社長ポストは社長への“最終試験”の意味を持つ場合も珍しくない。ただし、今回の人事でそれは当てはまらない。田中氏は63歳と中西社長(62歳)よりも年上で、次期社長の意味合いは薄い。三菱商事の社長は常務から選ばれることが慣例だからだ。

 4月からの中西新体制では、新たに4人が常務へと昇格した。次ページでは、副社長に田中氏が選ばれた背景や、次期社長レース予想について、中西人事を読み解く。