この本は100万円以上の価値がある!」東証プライム上場社長で現役マーケッターである「北の達人コーポレーション」木下勝寿社長が絶賛。大きな話題となっている一冊の本がある。それが、コピーライティングの第一人者である神田昌典氏25年の集大成『コピーライティング技術大全──百年売れ続ける言葉の原則』だ。これまでスマホ時代に完全対応し、従来のコピーライティング書の常識を凌駕する本書のポイントを抜粋して紹介してきた。今回は著者・衣田順一氏に「言葉よりアイデアが大事」という意味について聞いた。

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コピーライティングは100年の体系がある

 「はじめに言葉ありき」

 これは新訳聖書に出てくる言葉です。

 この言葉の本当の意味がどうかというのは横に置くとして、コピーライティングでも言葉の重要性を表すのによく使われます。

 この言葉どおりではあるのですが、実は、これにはもっと深い意味があります。

 それについてお話ししましょう。

 一般的にはコピーライティングは商品・サービスを売るための言葉の技術と捉えられています。

 しかし、売れるのは言葉ではありません。

 アイデアなのです。

 これはアメリカでは100年近く前から言われていたことです。

 アメリカでは、コピーライティングは100年以上の歴史があります。

 その長い歴史の中で、偉人と呼ばれるコピーライターたちが一様に、言葉よりもアイデアのほうが重要だと言っています。

どう言うかよりも、何を言うかのほうが断然重要だ
 (『ザ・コピーライティング』著者、ジョン・ケープルズ)

 コピーライターの多くが、効果があったレターの言いまわしをマネれば、そのレターも効果があるはずだと勘違いしている。大間違いだ。言いまわしは重要ではない。効果があったレターを裏づけているアイデアにどう手を入れるかが重要なのだ。
(『伝説のコピーライティング実践バイブル』著者、ロバート・コリアー)

 ビッグアイデアのないキャンペーンは、闇の中を航行する船と同じだ。
誰にも気づかれることなくただ通り過ぎるのみである。
(広告の父、デイヴィッド・オグルヴィ)

 売れるのは言葉ではなくアイデア(コンセプト)だというのは、はっきりしています。

 ところが、アイデア(=コンセプト)は外からは見えません。

 アイデアを人に見える化するには、言葉で表現する必要がある。

 図にすると、こんなイメージです。

圧倒的に売れている人が絶対外さないシンプルな共通点とは?

 つまり、相手から見ると言葉が接点になっているので、「はじめに言葉ありき」なのですが、それは頭の中にあるアイデア(コンセプト)が形になったものなのです。

 しかし、アイデアやコンセプトは頭の中にしかないので、そのつくり方を説明するのはとても難しいことでした。

PMMが画期的な理由

 そこで、我々は、長年の研究の結果、このアイデアを再現できる形で定義したのです。

 それがPMM(Product Market Matching)です。

 Product=提供する価値、Market=市場のニーズこれをピッタリと合わせることです。

 マーケティングに詳しい方は、なんだ「PMF(Product Market Fit)のことかと思われたかもしれませんが、違います。

 何が違うかというと、提供する商品・サービスの価値と、市場のニーズをどうすればマッチさせることができるかという方法論にまで落とし込んでいる点です。

 それは、実にシンプルな次の3つに集約されます。

誰が・何をして・どうなった
誰が」=売る対象となる顧客
何をして」=他のものとどう違うかが明確な商品・サービスの位置づけ
どうなった」=その商品・サービスを買ったことで得られる結果

 これを考えると、PMMが構築でき、それを言葉で表現することによって、商品・サービスが売れるようになるのです。

 このように、言葉そのものより、アイデアやコンセプトが重要であることを理解することが、コピーライティング成功のカギです。

 PMMについて、詳しく解説したのが『コピーライティング技術大全』。

 小手先のテクニックではない、売れる核心をわかりやすく解説しています。