志賀氏 三菱自動車さんは、この3社連合の新たな関係をうまく利用していけばいいと思いますよ。何と言っても東南アジアは、三菱自の“牙城”です。これは間違いない。私もかつて日産で東南アジアを経験(ジャカルタ事務所長などを経験)していますから。ここは、日産は弱いしルノーもほとんどやっていないけど、市場の成長性は高い。そうはいっても販売地域は東南アジアだけではないので、欧州はルノーを、米国は日産を活用すればいい。
三菱自動車の3社連合のポジションは、CASE投資が必要なところでいいとこ取りをすればいいと思いますよ。
――いずれにしても今回のルノー・日産・三菱自の3社連合は、新たな関係で再出発ということですが、いろいろな課題を抱えていますね。かつては「ルノー・日産統合論」から「日産・ホンダ合併案」、「三菱商事のルノー保有株半分買い取り案」などが水面下で揺れ動きましたが、今回実に23年ぶりに対等な形の日仏新連合になったということで、どうなるか注目されます。
志賀氏 自動車産業の大変革の中で、この日仏アライアンスが新たなスタートに立ったということですし、敵は新興メーカーやソニー・ホンダのような新しいフォーメーション、“アップルカー”などになる。日産もその意味ではこれからですよ。株価の低迷などまだまだ課題は山積してますし、次のレベルの変革に期待しています。
(佃モビリティ総研代表・NEXT MOBILITY主筆 佃 義夫)