経済的に恵まれない母子家庭に育ち、高校・大学は奨学金を借りて卒業。そのため、1000万円に迫る“奨学金という名の借金”を背負うことになった。そこで、郷里に母を残して上京、東京国税局の国税専門官となった。配属を希望したのは、相続税調査部門。「どうすればお金に悩まされずに済むのだろう?」と考え「富裕層のことを知れば、なにかしらの答えを得られるのではないか?」と思い至ったからだった。国税職員のなかでも富裕層が相手となる相続税を担当するのは、たった1割ほど。情報が表に出てくることはほとんどない。10年ほど携わった相続税調査で、日本トップクラスの“富裕層のリアル”に触れた『元国税専門官がこっそり教える あなたの隣の億万長者』(ダイヤモンド社)の著者が、富裕層に学んだ一生お金に困らない29の習慣を初公開する!

【元国税専門官が明かす】“伝説の億万長者”が教えるたった1つの投資の心得Photo: Adobe Stock

倹約とともに力を入れるべきこと

【前回】からの続き 欧米では「ノブレス・オブリージュ(高貴なる者の義務)」といって、富裕層には「社会の模範となるように振る舞うべき」という規範が根づいているといわれますが、日本にも本多氏のようなノブレス・オブリージュを実践している富裕層がいたのです。

ちなみに、本多氏がこれほど大きな功績を残せたのは、徹底した倹約に加えて、投資にも力を入れていたからです。

伝説の億万長者が教える
“投資の心得”

彼の代表的著書である『私の財産告白』には、「投資の第一条件は安全確実である。しかしながら、絶対安全のみを期していては、いかなる投資にも、手も足も出ない。だから、絶対安全から比較的安全、というところまで歩み寄らねばならぬ」と書かれています。

リスクをとらなければリターンを得られないことは投資の常識ですが、100年以上前に本多氏がこうした考えをもっていたことは驚くほかありません。

寄付ならではの喜びとは?

私もささやかではありますが、生まれ故郷の北九州市や子育て支援をしているNPO団体などに寄付しています。寄付して感じるのは、持続的な喜びを得られるということ。欲しいものを買っても、喜びは案外すぐに終わってしまいますが、なぜか寄付の喜びは長続きします。

自分が寄付したお金が、地元や子どもたちの幸せに少しでも貢献できていると思うと、いいお金の使い方ができたと実感できるのです。【次回に続く】

※本稿は、『元国税専門官がこっそり教える あなたの隣の億万長者』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。