ローンオフェンダーによる
自爆テロ未遂事件

 安倍元首相銃撃事件を受け、露木康浩警察庁長官は、山上被告のような組織や団体に属さない「ローンオフェンダー(単独の攻撃者)」の対策などを強化する考えを示したが、恐らく今回も同様のローンオフェンダーによるものであろう。

 なお、このローンオフェンダーであるが、一種のはやり言葉のように聞こえるかもしれないが、言葉を定義し、新たな脅威として社会に認知されることで、警戒意識が変わることから、重要な用語であると考える。

 さて、日本において、ローンオフェンダーによる事件を未然に防いだものとしては、2007年、鉄道で「自爆テロ」を計画した男が摘発された西武新宿線爆破未遂事件がある。

 当時30代だった男は定職に就けず、疎外感を深め、海外で起きた爆破テロ事件を参考に爆発物を制作し、西武新宿線で自爆テロを計画していた。

 男は爆弾を完成させる直前で摘発されたが、摘発のきっかけは爆発物の材料となる薬品を注文した男を不審に思った薬局の通報であった。