コンサル22年の知見を1冊に凝縮した『頭のいい人が話す前に考えていること』。この本の著者である安達氏は、経営コンサルタントとして3000社、1万人ものビジネスパーソンと仕事をしてきて、あることに気づいたという。それは「すぐやる人」と「やらない人」の違いだ。成功している経営者はみな「すぐやる人」だった。本記事では「すぐやる人」と「やらない人」を分ける考え方の差について解説する。

頭のいい人が話す前に考えていることPhoto: Adobe Stock

結局「すぐやる人」が有利なのはわかっているが、できない……

 一昔前、こんな言葉がSNS上で拡散されていた。

 したい人、10000人。始める人、100人。続ける人、1人。

 世の中に勉強家はそれなりにいるが、勉強した内容を実行してしまう人はたしかに少ない。

「起業しようと思って、勉強しているのですが…」
「ゲームをつくろうと思って、プログラムを勉強してるのですが…」
「留学しようと思って、英語を勉強しているのですが…」

 だが、本当に実行してしまう人は確かに100人に1人程度だろう。

 コンサルタントとして企業向けセミナーを行っていた時のことだ。

「セミナーに満足で、役に立った」と回答した人のうち、実際にそれをすぐに実行した人の割合はどのくらいか、というデータをとったことがあった。

 結果を見ると、テーマによらず、実行した人は約2割だった。100人に1人よりもだいぶマシな数字であるが、8割の人は内容に納得し、共感たとしても実行しない。

「すぐやる」とは、これほどハードルの高いものなのか、と驚きを禁じ得なかった。

 普通の人は、実行しない。

 だからこそ、「すぐやる人」は有利だ。私はコンサルタントとして数えきれないほどの経営者に会ってきたが、成功している人はみな「とにかくすぐにやる人」だった。

 とはいえ、多くの人は「そんなことはわかっている。でもできない……」というのが本音だろう。

 では、ごく一握りの「すぐやる人」はどのような心理で実行するのだろうか。普通の人は実行しないのに、彼らはなぜ簡単にすぐ実行できるのだろうか。

「すぐやる人」と「やらない人」の差。

 数々のビジネスパーソンに会ってきて気づいたのは、両者には「考え方」に決定的な差がある、ということだ。

 逆に言えば、この考え方を意識することで「すぐやる人」になれる。

 その考え方の差とは……