「あれ? いま何しようとしてたんだっけ?」「ほら、あの人、名前なんていうんだっけ?」「昨日の晩ごはん、何食べんたんだっけ?」……若い頃は気にならなかったのに、いつの頃からか、もの忘れが激しくなってきた。「ちょっと忘れた」というレベルではなく、「しょっちゅう忘れてしまう」「名前が出てこない」のが、もう当たり前。それもこれも「年をとったせいだ」と思うかもしれない。けれど、ちょっと待った! それは、まったくの勘違いかもしれないのです。
そこで参考にしたいのが、認知症患者と向き合ってきた医師・松原英多氏の著書『91歳の現役医師がやっている 一生ボケない習慣』(ダイヤモンド社)だ。本書は、若い人はもちろん高齢者でも、「これならできそう」「続けられそう」と思えて、何歳からでも脳が若返る秘訣を明かした1冊。本稿では、本書より一部を抜粋・編集し、脳の衰えを感じている人が陥りがちな勘違いと長生きしても脳が老けない方法を解き明かす。

【91歳の医師が明かす】脳の衰えを防ぐ「たんぱく質」の賢い摂りかたイラスト:chichols

5大たんぱく源をとって
認知症を防ぐ

【前回】からの続き たんぱく質の1日の必要量は、「体重1kgあたり0.8g」とされています。体重50kgなら40g、体重60kgなら48gです。自分の体重から、1日にどのくらいのたんぱく質が必要なのかを計算してみてください。

たんぱく質を豊富に含むのは、「肉類」「魚類」「卵」「大豆・大豆食品」「牛乳・乳製品」という5大たんぱく源です。

【91歳の医師が明かす】脳の衰えを防ぐ「たんぱく質」の賢い摂りかた

食品に含まれる
たんぱく質の量を知っておく

それぞれにどのくらいのたんぱく質が含まれるかは、ざっくりでいいので知っておくと役立ちますから、次に紹介しておきます。

たんぱく質量の目安
肉類 100gで15~20g、ロースハム1枚(20g)で3g
魚類 100gで15~20g、ツナ缶(水煮70g)で12g
 生卵1個で6g
大豆・大豆食品 木綿豆腐1丁(300g)で21g、納豆1パック(50g)で8g、無調整豆乳200mlで7g
牛乳・乳製品 牛乳200mlで7g、無糖ヨーグルト100gで4g

肉類100gは片手の手のひら大のサイズと厚み、魚類100gは同じく片手の手のひら+手指のサイズと厚みだと思えばいいでしょう。

無理のない範囲で
5大たんぱく源を摂る

5大たんぱく源をそれぞれ1日1回食べるようにすると、必須アミノ酸をまんべんなく摂取できます。

とはいえ、嫌いなものを無理やり食べる必要はありません。私自身は、5大たんぱく源のなかでも、魚が一切食べられません。

続けることが重要なのですから、無理せず、自分が好きな5大たんぱく源から必要量をとるようにするといいでしょう。【次回に続く】

※本稿は、『91歳の現役医師がやっている 一生ボケない習慣』より一部を抜粋・編集したものです。