「あれ? いま何しようとしてたんだっけ?」「ほら、あの人、名前なんていうんだっけ?」「昨日の晩ごはん、何食べんたんだっけ?」……若い頃は気にならなかったのに、いつの頃からか、もの忘れが激しくなってきた。「ちょっと忘れた」というレベルではなく、「しょっちゅう忘れてしまう」「名前が出てこない」のが、もう当たり前。それもこれも「年をとったせいだ」と思うかもしれない。けれど、ちょっと待った! それは、まったくの勘違いかもしれないのです。
そこで参考にしたいのが、認知症患者と向き合ってきた医師・松原英多氏の著書『91歳の現役医師がやっている 一生ボケない習慣』(ダイヤモンド社)だ。本書は、若い人はもちろん高齢者でも、「これならできそう」「続けられそう」と思えて、何歳からでも脳が若返る秘訣を明かした1冊。本稿では、本書より一部を抜粋・編集し、脳の衰えを感じている人が陥りがちな勘違いと長生きしても脳が老けない方法を解き明かす。
高くなったとはいえ
卵は手軽なたんぱく源
【前回】からの続き 5大たんぱく源のなかでも、いちばん手軽に食べられるのは、卵でしょう。
生卵・ゆで卵・目玉焼き・オムレツ・温泉卵と、いろいろな食べ方ができるうえに、飽きません。
私も毎朝、目玉焼きを食べるのが、長年の習慣になっています。物価の優等生と呼ばれるほど安価でもあり、家計に負担をかけないのも助かります(注:鳥インフルエンザや餌代の高騰などの影響により昨今、卵の価格が上がっていますが、それ以前に書かれた本書の原文ママとしております)。
脳の情報をやりとりする
“神経伝達物質”を摂る
卵は、たんぱく質以外にも、ビタミンA・ビタミンB群・ビタミンD・鉄・カリウムといった必須の栄養素が含まれており、「完全栄養食」とも呼ばれています。
また、卵黄に含まれる「レシチン」は、脳内で神経細胞が情報をやりとりするときに使われる「アセチルコリン」の原料でもあります(レチシンは、大豆・大豆食品にも含まれています)。
アルツハイマー型認知症では、このアセチルコリンの減少が確認されています。【次回に続く】
※本稿は、『91歳の現役医師がやっている 一生ボケない習慣』より一部を抜粋・編集したものです。