富永:そもそも「ゲームをやめなさい」という言葉は、子どもがゲームをやめない方向に働くと私は思っています。
極論を言うと、ゲームをどうしてもやめない子にはやらせ続ければいいんです。
そのうち飽きてやめるでしょう。
西岡:僕の場合も、小学生の頃はずいぶん親からうるさく言われました。
父が単身赴任で離れて暮らしていたので、その分、母がすごかった。
ところが、いいかげん疲れてしまったのか、中学に入ったら一切言わなくなりました。
僕がゲームをしていても、母はぼーっとしている。
かえって不安になりましたね。
思わず「まだゲームしてていい?」と聞いてしまったら、「さあ、私は知らないわよ。それであなたの成績が悪くなったからって、私になんの関係があるの」と。
「ゲームをやめなさい!」と叱られるよりも恐かったですよ。
タイムリミットを決める
富永:私が関わっている小学生や中学生のケースでも、親がメリハリなく「勉強しなさい」と言っている家庭は上手くいかないことが多いです。
逆に、勉強習慣がある子どもの保護者は「タイムリミット」の概念を大事にしています。
ダラダラ勉強させるのではなく、時間を区切って食事や旅行など楽しい予定を組み入れ、そこには勉強をズレ込ませない。
たとえ、勉強のノルマが終わっていなくても、すっぱり切ることができていますね。
西岡:家庭でそういうルールに従っていると、やがて子どもたちも自分で時間管理し、メリハリをつける感覚が育っていくんじゃないでしょうか。
学習塾が終わって、まっすぐ家に帰る子と、いつまでも友だちとおしゃべりしている子がいますよね。
まっすぐ家に帰る子は、帰宅してからのスケジュールを決めている子で、当然、自発的な勉強習慣も身についているわけです。