小学生の頃から勉強を習慣化させるためには?

──小学生の頃から自発的に勉強するような子どもにしたいなら、親はどうすればいいんでしょうか。

西岡:短期的な策としては、褒めることでしょうね。

 ただし、結果を褒めてはいけない。プロセスを褒める。

「よく頑張ったね」「3時間も勉強して偉かったね」というのは、いくら褒めてもいい。

 けれど、「90点取れたね」「順位が上がったね」という褒め方をしてしまうと、次回以降そうした結果が出せなかったときに自己肯定感が下がってしまいます。

 いずれにしても、褒めるというのは短期的な策で、中学受験まではいけるんじゃないでしょうか。

 ただ、親が褒めてくれることが嬉しくて勉強していた子どもは、中学に入ってからガクンと成績が落ちることがあります。

 思春期に入ればそんなことでは嬉しいと思えなくなり、勉強しなくなるんです。

富永:そういうことは、たしかにあります。

 自発的に勉強してもらうための長期的な策は、簡単には見つかりません。

 もちろん、ずっと先々まで高いモチベーションを持って勉強してくれればいいのですが、子どもには少々無理があります。

 でも、親は期待してしまうんです。

 ある小学生が「建築家になりたい」と言ったんですね。どこかで格好いいビルでも見たのでしょう。

 すると、親が早速、高名な建築家の写真集を買ってきて、「どの先生みたいになりたいの」と詰め寄っていきました。

 子どもにしてみたら深く考えずにぽろっと言っただけのことだろうに、かえってプレッシャーをかけてしまいます。