セイコー、シチズン、カシオ 時計“御三家”の黄昏#6Photo:123RF

カシオでは発売40周年を迎える時計ブランド「G-SHOCK」が経営の屋台骨となっている。プリンターやデジカメなど撤退を繰り返しているカシオでは、G-SHOCKに次ぐ「第二の稼ぎ頭」の育成が喫緊の課題だ。祖業の電卓や楽器事業は「第二の柱」になれるのか。特集『セイコー、シチズン、カシオ 時計“御三家”の黄昏』(全8回)の#6では、カシオのビジネス構造が抱える課題を追う。(ダイヤモンド編集部 今枝翔太郎)

「G-SHOCK一本足」のカシオ
“第二の稼ぎ頭”は育つのか

 今年、カシオ計算機が誇る時計ブランド「G-SHOCK」は発売40周年を迎えた。その出荷量は年間1000万本前後にまで達し、グローバルで多くのファンを獲得してきた。G-SHOCKは今や、押しも押されもせぬカシオの主力商品だ。

 収益貢献度という点でもG-SHOCKの存在感は非常に強く、カシオの連結売上高の6割が時計事業で占められる。そのうちの半分以上をG-SHOCKで賄っているため、カシオの事業構造は、事実上「G-SHOCK一本足」状態と言われている。

 社員や株式市場からは、この収益構造を懸念する声が上がる。プリンターやデジカメなど、さまざまな事業からの撤退を繰り返してきたカシオでは、G-SHOCKに次ぐ「第二の柱」が育っていないからだ。

 次ページでは、カシオのビジネス構造が抱える課題を追う。祖業の電卓や楽器事業は第二の柱になれるのだろうか。