「シャキッとしろ!オマエの代わりなんかいくらでもいるんだぞ!頭がまだ日曜日なんだよ。早くスイッチ入れろ!」

 不注意でミスをすれば、

「健全な精神は健全な肉体に宿るって知らんのか?オマエは病気なんだよ。ビョーキ。明日から来ないでくれよ。まともな部下はいないのかな?」

 ノルマが達成できなければ、

「ぶったるんでるからだ。気合入れろ。こんな目標、新入社員だってできるぞ」

書影『メガバンク銀行員ぐだぐだ日記』(三五館シンシャ)『メガバンク銀行員ぐだぐだ日記』(三五館シンシャ)
目黒冬弥 著

 大量採用でいくらでも部下をチェンジできた時代。一見「叱咤激励」のようでいてその実全く履き違えたセリフが許容されていた。令和の時代にはあり得ない。今、管理職がこんな言い方をしたら間違いなくパワハラ認定だ。一方で、現在は明らかに怠慢な行員に対しても、うかつに物を言えなくなった。管理職にとっては、これもストレスのひとつかもしれないのだが。

 現在の私は、みなとみらい支店の預金担当課課長。窓口の担当である。今年もゴールデンウイークが明けた。「分からないことがあったら、なんでも聞いてくださいね」とは異なる、しっかりとした五月病対策をしていこう。そして、今日も懸命に勤務する。この銀行に感謝しながら。