社外取バブル2023「10160人」の全序列#6Photo:Photolibrary

日本を代表する企業において、汚職や品質不正などの不祥事が一向に止まらない。ガバナンス改革の必要性が叫ばれ続けており、社外役員の拡充が進んでいる。特集『社外取バブル2023「10160人」の全序列』(全11回)の#6では、社外取締役と並んで重要な「社外監査役」に焦点を当てる。彼らの働きぶりは報酬に見合っているのか。前編では、社外監査役「上位3000人」の推計報酬額をランキング形式で紹介する。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

社外監査役がガバナンス改革で重視
報酬額上位の実名、キャリアは?

 大手電力会社によるカルテルや、東京五輪・パラリンピックを巡る汚職事件。三菱電機や東レなど、日本を代表する企業で相も変わらず露見が続く品質不正問題――。これまで企業が不祥事を引き起こすたびに、コーポレートガバナンス(企業統治)改革の必要性が叫ばれてきた(本特集の#5『不祥事企業の社外取締役の「報酬額」を完全公開!関電、電通、富士通…【全18社82人】』参照)。

 その改革の柱に据えられているのが、社外役員の拡充だ。社外取締役、社外監査役のどちらも、経営者に対して監視を働かせることで、経営の暴走や不祥事を未然に防ぐという狙いがある。

 さて、本特集では、これまで5回にわたり、社外取をテーマに複数の独自ランキングを展開してきた。今回と次回は、社外役員のもう一方の主役、社外監査役「全5400人」にスポットライトを当てたい。

 取締役は企業の業務執行を担う。一方、監査役は、取締役の業務や会計に不正行為がないかどうかを独自に調査し、これをただすのが役割となっている。もし、取締役の行為に不正があれば、監査役は裁判所に差し止めを求める権限も持つ。監査役は、経営からの独立性が重視されており、その半数以上は社外の人でなければならない。

 経営危機に陥るような不祥事を避けるため、存在感を高める社外監査役たち。彼らの仕事ぶりを検証する材料として、今回は社外監査役の「上位3000人」推計報酬額ランキングを、兼務社数と一緒に提示する。

 報酬額トップの社外監査役は、3社を兼務して5100万円ももらっていた。企業が支払う多額の報酬額に、社外監査役の成果は見合っているのだろうか。次ページのランキングで確認していこう。