大好評だった昨年に続き作成した社外取締役ランキング。トップ100を昨年と比べると、顔触れは大幅に変わった。昨年首位を獲得した女性起業家は王座から陥落。10位以下から新たに5人が大躍進した。上場企業による社外取の獲得競争は激しくなるばかりだ。特集『社外取バブル2023「10160人」の全序列』(全11回)の#4では、トップ100人の昨年と今年の順位を基に社外取の序列激変の構図をお見せする。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)
昨年5位の元経団連会長は80位に
トップ10だった“プロ経営者”も後退
本特集#1『社外取締役・総合ランキング【上位5000人の実名】』と#2『【下位5100人の実名】』では、昨年大好評だったランキングの最新版として、上場企業3900社の社外取締役「全10160人」を、報酬や兼務社数、業績などで独自試算した実名ランキングを公開した。
政府や東京証券取引所がコーポレートガバナンス(企業統治)改革を推し進めていることもあり、上場企業による社外取の獲得競争が激化している。今回はトップ100人の昨年と今年の順位を基に、社外取の序列激変の構図を示す。
実際、顔触れは大幅に変わった。例えば、昨年首位を獲得した女性起業家は王座から陥落。大物の順位変動も激しく、昨年5位だった榊原定征・元経団連会長(80)は、80位まで順位を落とした。このほか、“プロ経営者”として一世を風靡した藤森義明氏(71)も、トップ10から脱落して26位になった。
一方で、10位以下から新たに5人が大躍進を果たす動きも出ている。このうち4人は女性だった。
なお、総合ランキングにおいて、今年と昨年で配点方式を変えた部分がある。特に上位の社外取において、より実態に即した評価になるように改善した(詳細は次ページの【ランキングの見方】参照)。
今回、同じ基準で比較できるように、昨年の総得点は、今年の基準に基づいて改めて採点し直した。このため、昨年の順位と総得点は、昨年6月配信の『社外取締役・実名ランキング【上位4000人】報酬、兼務、業績で9400人の全序列を初試算』で公開したランキングと若干異なる部分がある。
それでは次ページで、上位100人の顔触れの大激変を確認していこう。