ステップ1「間仕切り」
収納用品で“プチ壁面”を作り出す

「模様替え」と聞いてウキウキした人は、いったん落ち着きましょう。コンセプトのはっきりしないレイアウト変更は、「迷走」の始まりです。

 私は『家じゅうの「めんどくさい」をなくす』という本で、「使ったモノが戻せないのは、片づけの仕組みがめんどくさいせいであり、しかもそのめんどくささに気づいていないから」とお伝えしています。衣類収納のどこに「めんどくさい」が潜んでいるのか? まずはそこを、しっかりあぶり出しましょう。

 下の図を見てください。一見スッキリした配置に見えますが、衣類収納の日常ルーティンで考えると、ある二つの問題が隠れています

 わかりましたか? 答えは、(1)各収納が離れていて移動が多い(2)出し入れの動作が複雑――です。

 たかが1回分の洗濯なのに、テーブルを避けてくねくね進んだり、ベッド下の引き出しを開けるためにかがんだり、クローゼットの扉を開けたり閉めたりと慌ただしそうです。

 こうした「障害物競走のような複雑な動き」こそ、片づけをめんどくさくしている元凶です。ひとり暮らしのコンパクトな部屋だと思ってなめてはいけません。ほんのちょっとのめんどくさいが積み重なると、「ま、いっか。どうせまたすぐ着るし」と冒頭のような状況を生んでしまいます。

 下の図のように「衣類エリア」をできるだけ1カ所に固めましょう。

 ポイントは二つ。
・既存のクローゼットまわりに収納用品を集める
・収納用品をL字やコの字に配置して、「エリア感」を出す

 チェストやハンガーラックなどの収納用品は、壁沿いに設置されることが多いのですが、そうすると、真ん中が空いたのっぺりした空間になりがち。片づかないモノが部屋の真ん中に集中し、他のものとごちゃ混ぜになって、汚部屋化が加速してしまいます。

 ベッドと収納用品で部屋を区切ると、「衣類管理のエリア」と「くつろぐエリア」のメリハリがはっきりします。衣類は全て、衣類管理エリアに集めるようにします。きちんと片づける余裕がない時でも、「畳む前の洗濯物入れ」「もう一度着るニット入れ」をこのエリアに作っておけばOKです。