これまで国による研究開発が主体だった宇宙が、いよいよ民間企業のビジネスの場に!国内のトップ宇宙ベンチャーでは最大400億円を調達する企業や、IPO(新規株式公開)企業も登場した。さらに、トヨタ自動車、ホンダ、ソニーグループ、大手商社、スーパーゼネコン、金融など、あらゆる業種の企業が宇宙事業に参入しつつある。今、宇宙で何が起こっているのか?特集『来るぞ370兆円市場 ビッグバン!宇宙ビジネス』で6月26日(月)から7月6日(木)までの全13回にわたりお届けする。(ダイヤモンド編集部 鈴木洋子)
#1 6月26日(月)配信
三井・三菱グループが出資を競う「宇宙スタートアップ」、3年以内に上場続々の熱風
長年、米国の独壇場といわれていた宇宙開発で、日本企業の動きが活発化している。有望スタートアップの株式上場や、ベンチャーキャピタル(VC)と事業会社からの投資が急拡大しているのだ。事業会社が、有望スタートアップといち早くつながろうとする「陣地争い」の様を具体な企業名と実額で追う。
#2 6月26日(月)配信
日本から「宇宙ビジネス版GAFA」爆誕?人工衛星で世界唯一の技術を持つ企業が続出
現在の宇宙市場の70%を占める人工衛星関連ビジネスに、大地殻変動が起きている。軽くて安価な人工衛星を各社が次々に開発。その衛星からのデータを使ったサービスも続々登場し、損害保険業界や自治体、農林水産業で引っ張りだことなっているのだ。大爆発寸前の衛星ビジネスを追う。
#3 6月27日(火)配信
日の丸ロケット「本当の実力」は?H3、ホリエモンロケット、有人機…22年は打ち上げゼロも
宇宙航空研究開発機構(JAXA)が20年ぶりに立て続けに2回打ち上げを失敗するなど、苦戦が続く日本のロケット。一方、小型で安価なロケットを開発する堀江貴文氏創業のインターステラテクノロジズや、実に40年越しに幻の技術を復活させて、有人ロケット開発を進めるSPACE WALKERなど、ユニークなスタートアップも続々登場している。日の丸ロケットは「どこまで飛べる」のか?
#4 6月27日(火)配信
H3打ち上げ失敗の影に隠れた、日本の宇宙開発体制の知られざる「重大欠陥」
20年ぶりに、しかも立て続けに2件のロケットの打ち上げに失敗してしまったJAXA。実は、その裏でJAXAと国の宇宙開発と宇宙事業に対する重大な欠陥が明らかになったことは、あまり知られていない。打ち上げ失敗から見える「日本の宇宙開発体制」の大問題をベテラン宇宙ライターが指摘する。
#5 6月28日(水)配信
三井不動産や地方自治体が「宇宙で町おこし」に続々参入する理由
宇宙ビジネスは地域活性化の決め手になるのか?北海道の酪農地域の大樹町では「宇宙港」整備や宇宙産業誘致が進む。一方、三井不動産は東京・日本橋を宇宙の町にしようと、この4月からベンチャー企業を日本橋三井タワーに誘致して大規模インキュベーション施設を社長の肝いりで開設。日本全国に広がる「マジモード」の宇宙町おこしの最前線を追う。
#6 6月29日(木)配信
コンサルBIG4・電通・商社・損保も名乗り、「370兆円宇宙市場」争奪戦が熱い!
宇宙は人工衛星とロケットだけではない。宇宙空間の「ロードサービス」を提供するアストロスケールや、「宇宙専門商社」も登場した。さらに既存企業でも、損保会社は宇宙関連の専門保険商品の営業を強化し、ビッグ4コンサルファームや広告最大手電通グループも宇宙に乗り出す。370兆円にも膨らむ可能性がある、宇宙市場の多様な獲得合戦を見てみよう。
#7 6月29日(木)配信
中国が宇宙で敵国衛星を直接攻撃も?「リアル『スター・ウォーズ』」の脅威がすぐそこに
もともと切り離せない「宇宙と軍事」。偵察衛星などを使った情報戦は、ロシア・ウクライナ戦争でも日常的に繰り広げられている。実は昨今、宇宙の軍事行動で中国の動きが警戒されているという。あたかもSF映画さながらの、敵国衛星への直接攻撃などが現実になるかもしれない。
#8 6月30日(金)配信
「日本は宇宙産業で世界に勝てる」世界唯一の宇宙商社代表が断言するワケ
宇宙でビジネスをしたい企業と宇宙サービスを結ぶ「宇宙商社」、Space BD。同社を率いるのは元商社マンである永崎将利社長だ。JAXAからの委託民間事業をスタートアップながら初めて受注、すでに数百件もの案件を手掛けている。永崎氏は「宇宙はこれから日本が世界で勝ち組になれる数少ない産業」と断言する。
#9 7月1日(土)配信
三菱重工、三菱電機、NECの「オールド宇宙企業」は爆発する民需に乗って逆襲できるか
戦後長年にわたって、JAXAとその前身団体の国の宇宙開発を支えてきたのが、三菱重工業、三菱電機、NEC。いわばオールドスペース企業の3社は、これから爆発するとみられる民間需要にどう対応するのか。1件当たりのプロジェクトが大きく、失敗すると大きな赤字を抱える上に、決してもうけは大きくない国の宇宙開発頼りから脱却できるのか?
#10 7月2日(日)配信
スペースXをNo.1宇宙企業にしたイーロン・マスク流非常識経営の「凄みとアキレス腱」
たった10年ほどで誰も追い付けない宇宙企業のトップに成長した米スペースX。業界人が驚く快進撃の裏には、これまで宇宙業界にいた者なら非常識と眉をひそめるような逆張りの経営があった。宇宙ライターが、イーロン・マスクの非常識経営のすごみとアキレス腱を解き明かす。
#11 7月5日(水)配信
トヨタ、ソニー、メガバンク、ゼネコン、食品…異業種約50社が今そろって「月」を目指す理由
NASA(米航空宇宙局)が2025年までに人を月面に送るというアルテミス計画に、日本の官民も前のめりで参加している。政産官学共同の協議会には30社が参加、月ビジネスへの参画を試みる企業は50社を超える。しかも、その顔触れは自動車・メガバンク・金融・ゼネコン・玩具・食品・広告・放送など、ほぼ全業種に及ぶ。なぜ日本企業が月を目指すのか?
#12 7月6日(木)配信
「日本から時価総額数兆円企業が出るのは宇宙産業だけ」VCが熱狂、宇宙企業の“投資価値“は?
月面探査のispaceなど、宇宙スタートアップが初の株式上場を果たした今年。さらに今後3年以内にも上場が相次ぎそうだ。それらの宇宙企業に投資するベンチャーキャピタル(VC)の意図とは何か。宇宙をテーマにした投資信託商品も複数登場しているが、一般人が投資する対象としての宇宙企業はどう見るべきなのか。
#13 7月6日(木)配信
JAXAの迷走、宇宙開発の民間委託で躍進するNASAとの格差は開くばかり
世界のトレンドに乗る形で、JAXAや政府も宇宙開発を民間に移行しようとしている。だが、JAXAの「民間移行」は本質的には成功していないにもかかわらず、有人飛行機開発という最重要分野を民間に押し付けるという本末転倒なことも起きている。宇宙ライターが解説する。
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