必要な人材にしかビザを与えない?
上海で長期滞在する日本人も、ビザ取得に東奔西走させられている。1990年代から上海で商売を行ってきたEさんによると、ビザの手続きは年々厳しくなるという。こんな話を明かしてくれた。
「さまざまな書類や資料を提出させられます。実体ある会社だということを証明するために、会社の写真や銀行口座、税金の支払い証明、社員の給料支払い履歴など、あらゆる資料を要求されます」
一連のビザ申請手続きをしながら、Eさんは「中国はもう日本人を必要としていないのかもしれません」とつぶやく。
中国で日本人材が重宝されたのも、今は昔だ。近年、中国政府は経済発展に貢献できるかどうかで外国人をランク付けし、重要ではない人材については滞在の規制を強めるようになった。
「中国のビザ政策の変化を見ていると、中国が必要とする人材にはビザを出したいという意向が伝わってきます。最近の雇用情勢からすればなおさら、当局は、外国人にビザを出して就労を許可するよりも、一人でも多く中国人に仕事を与えたいと考えているのではないでしょうか」(同)