オンラインコンテンツを活かせば
若い先生でも「授業力」を高められる
学校のDX化によって、スマホやタブレットという機器を思い切り教育ツールとして活用させていくのなら、若い先生の力がいかんなく発揮される。むしろ若手の能力こそが、必要とされる。教員になった時点での学力が諸先輩に比べて相対的に低かったとしても、オンライン上にあるコンテンツを活かして、自分の授業力を高めていくことは若い先生ほどできるはずだ。
自分が生身かつ独りで何もかも教えるのではなく、自分自身を「○○先生」というキャラとして捉え、ネットワークで教える方法を確立すればいい。自分の背後に、何人ものオンライン先生を味方につけ、デジタルの教材にも精通した「ネットワーク先生」を演じること。
これが、新時代の学校に求められる教員の姿ではないだろうか。
藤原和博 著
授業の一部は、その教科のその単元を教える「最高のオンライン先生」の動画でいいと割り切る。YouTubeから探してラインナップを揃えるのは、教職大学の在学中に済ませればいいだろう。教職課程を持つ大学のカリキュラムも、もはや、授業の姿をYouTubeやChatGPT登場以降の姿に変えなければ、ウソくさい!
何度でも言うが、動画なら一時停止もできるし、繰り返し再生できる。スピードも変えられる。生の授業は1回限りなので、ちょっと油断したら聞き逃すし、理解できていなくても終わってしまう。
すでに訪れている超高度に発達したネットワーク社会では、学校という舞台で、授業という演目で、このように「先生」を演じることができる教員が求められていくのだと思う。