兼務も認める明大の部員は100人超
拠点が分かれた中大はZoom活用も

 三木武夫ら2人の首相を輩出した明治大学雄弁部は現在の部員数が100人を超え、弁論部では全国屈指の規模だ。

 部員が確保できている理由の一つに「厳し過ぎない」ことがある。他のサークルとの兼務が認められているほか、どれだけ活動するかも本人に委ねられている。実際、弁論にはほぼ関わらない部員も存在する。

 弁論部のイメージとは懸け離れているが、ソーシャルメディアを通じた部員勧誘も積極的だ。雄弁部131期代表の藤川太暉氏は「昔ながらの活動を求めている学生ばかりではないので、柔軟に活動していくことが大事だ」と話す。

 50人ほどの部員を抱える中央大学辞達学会も創立120年超の歴史を持つ。部の名称は、孔子の『論語』にある「辞は達するのみ」が由来。その中大は今年、法学部だけ多摩から都心にキャンパスが移った。辞達学会の部員は多摩と都心に活動が分断されてしまったのだ。

 辞達学会は、他大学よりも弁論活動の比重が高く、弁論作成に多くの部員が関わる「集団作成体制」が特徴だ。大野仁幹事長は「弁論作成に多くの部員が関われるように人繰りを工夫しているほか、Zoomを使った練習を取り入れるなど一体感を損なわないよう心掛けている」と話す。

 主要大学の弁論部の主なOBを見るとやはり政治家が目立つ(下表参照)。

 では、弁論部も時代とともに変容を遂げている中で、弁論部に入部する現役生は政治家志望者が多いのだろうか。