専門医とは、外科や内科など、特定の専門学会から認定・付与される資格。取得するためには、認定施設で何年かの指導を受け、試験に合格する必要があります。要は該当する専門分野に関しては『すごく勉強したね』というお墨付きを得ているということ。『勉強した=腕がいい』とは限りません。専門医の資格がなくとも、特定の分野に精通している実力派のドクターは沢山います。『専門医』はクリニックを選ぶ際の参考程度にお考えください。

 ただ、クリニックに掲げられる診療科目は注視すべきポイントです。もし、クリニックにドクターがひとりという場合は、一番、最初に標榜している科目が、その先生の得意診療科目であるケースがほとんど。例えば、「内科・外科・小児科・皮膚科・麻酔科」と標榜されているならば、内科が専門という可能性が高いです。診療科目の表示はとても大事で、院長の強い気持ちが込められているもの。得意分野は真っ先に書きたいものなので、これも参考にしてください」

(3) 治療実績、検査件数、
手術件数が明記されている

「最も重要なのは(3)。治療・検査・手術の件数は外せません。何故ならば、この数と医者の実力はバッチリ比例するからです。内視鏡検査や手術の数をずば抜けてこなしている医者のほうが腕はいい。治療の実力も、沢山の患者さんを診ているほうが上がるのです。経験がつくと応用力もアップするので、治療が難しくなった際のリカバリーも完璧です。

『ひと月ほどで治るだろう』『これは早めの手術がいい』などという独特の勘所が冴えていくのも、圧倒的に数をこなしている医者なればこそです。ちゃんと件数を開示しているクリニックを選びましょう」

患者にとっての
「とっておきの名医」はこんな医者

 さらに石黒医師に、「間違いない医者かどうか」がわかる6つの見極めポイントを教えてもらった。

(1) 患者の目を見て話してくれるか

「治療では患者さんとコミュニケーションを取ることが、すごく大事です。いかなる病であろうと、根治には患者さんと医者の意思疎通は欠かせません。どんな症状を抱えているのか、今、一番つらいことは何か、どう治療していけば調子が上向くのか、診察には、そういった情報が不可欠。患者さんは治りたい一心で来られますが、医者も患者さんに治ってほしい一心なんです。そうなると、おのずと患者さんの目を見て、話を聞き出そうとします」