誰しも悩みや不安は尽きない。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 40代を後悔せず生きる言葉』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる。Voicy精神科医Tomyきょうのひとことの“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日がラクになる!

【精神科医が教える】いつも幸せな人がやっている「ゼロベース思考法」Photo: Adobe Stock

落胆の種をまくという愚行

希望を持つということは、いいことのように思われがちですが、「執着を増やす」という面もあります。

あれもこれも欲しい、あれもこれもやりたいみたいな感じにしてしまうと、希望というよりも落胆の種をまいていることにもなりかねないんです。

希望というのは、自分の未来に対する期待にもつながりやすいわけですが、希望が期待へとすり替わると、今度は執着と化して逆効果になりかねないわけです。

希望とは、諦めること

そもそも希望と期待は、似て非なるものです。希望というのは、こうあって欲しいと願うこと。期待は、希望が実現して欲しいと思って待つこと。

本質的には、希望を叶えようと思ったら、逆に諦めるといいんです。

友だち100人できるかな?

1年生になったら、友だち100人できるかな? という童謡が昔よく歌われましたが、実際のところ友だち100人なんかできないですよね。

その童謡を真に受けて子どもが期待に胸を膨らませたとすると、友だちは100人もできないわけですから、落胆して帰ってくるわけです。

最初から友だちは100人なんてできない。むしろ、「友だちができなくてもいいや」と諦めるところから始めれば、落ち込むことはないのです。

ゼロベースで足し算する

でも実際のところ、友だちが0(ゼロ)ということは、ほとんどないわけです。隣の子が話しかけてきてくれたりして、1人でも友だちができたら希望になりますよね。 

100を基準に引き算する考え方ではなく、ゼロベースで足し算していくようにする。これが諦める効能のわかりやすい例なんです。

希望と期待を同一視しない

転職するときも希望に満ちあふれた人ほどね、燃えつきやすい面がありますが、それは希望と期待が一緒くたになってるからなんです。

ゼロスタートで物事を眺めてくと、いろんなプラスの面が見えてきて、ハッピーになりやすい。もしアナタが希望に満ちあふれていたら、その希望が期待と一緒くたになっていないかを自問自答してみてください。

期待になっていたら、いったん捨てるように意識してみる。現状よりマシにならないかもしれないくらいに思えば、逆に希望が次々と見えてくるようになります。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 40代を後悔せず生きる言葉』(ダイヤモンド社)の著者が日々お届けする“心のサプリメント”です。