ミスを指摘されると萎縮してしまい、ミスが減るどころか、2倍に増えてしまう……。そんな悩みを持ってはいないだろうか。真面目にがんばっているのに減らないうっかりミス。どう改善すればいいのだろう。
そこで参考になるのが、『時間最短化、成果最大化の法則──1日1話インストールする“できる人”の思考アルゴリズム』だ。優秀なビジネスパーソンに共通する思考アルゴリズムが、見事に解説されている。
著者は、北の達人コーポレーション(東証プライム上場)社長・木下勝寿氏。ベストセラーとなっている本書は、多くの経営者やビジネスパーソンから評判の一冊だ。
そこで、本書からより深い学びを得ようと、インタビュー企画を実施。今回、本書を読み解くのは、企業現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント・横山信弘氏だ。最新刊『キミが信頼されないのは話が「ズレてる」だけなんだ』や衝撃のデビュー作『絶対達成する部下の育て方』などのベストセラー作家でもある横山氏は、『時間最短化、成果最大化の法則』をどう読み解いたのか。
連載9回目は、「ミスを指摘するとミスが2倍になる人の対処法」をテーマに話を聞いた。(構成・川代紗生)

ミス 指摘Photo: Adobe Stock

「ミスのパターン」を客観的に整理する

──ミスを指摘されると萎縮してしまい、さらにミスが増えてしまう人がいます。

 真面目にがんばっているのに、ついうっかりミスをしてしまう。どうすれば改善できるでしょうか?

横山信弘(以下、横山):どんな「欠落的欠点」があるのか、自分では意外とわからないものです。

「ケアレスミスが多い」ことはわかっていても、具体的に、どんなタイミングで、どんな理由で、どんなきっかけでミスをするのかまでは、正確に把握するのは難しい。

 そのため、「欠落的欠点」を客観的な視点で明らかにし、ミスの「クセ」や「パターン」を分析する必要があります。

 たとえば、『時間最短化、成果最大化の法則』には「欠落的欠点」をチームメンバー同士で分析しあう研修のやり方が提案されています。

 日頃一緒に仕事をしているメンバーで5~6人のグループをつくり、

1、自分の欠点と、チームメンバーの欠点を把握する
2、自己認識と他者認識の違いを理解し、受け入れる
3、欠点克服のための解決策を考え、アクションを起こす

 という流れで、ワークを行います。

 そして、2ヵ月後に再び研修を行い、どう変わったかをお互いにチェックするそうです。

 このようなワークを取り入れてみるのもいいかもしれません。

 いずれにせよ、自分一人でなんとかしようとするより、客観的な視点を取り入れるほうが、ミスが改善する可能性は高いと思います。

今日からできる!
「ポイント&コール」のテクニック

横山:ミスの傾向がわかったら、チェックリストの解像度を自分に合わせて変えてみましょう。

「ここでミスしやすい」という項目は、必ずリストに入れるようにします。

 加えておすすめしたいのが、「ポイント&コール」のテクニック。

 日本語では「指差呼称」と言いますが、電車の車掌さんが、「〇〇よし」「〇〇よし」と声に出して安全確認している様子を、駅で見たことがありませんか?

──腕を上げて、人差し指でさして、すべてきっちり確認してから発車していますよね。

横山:工場などでも、同じような指差し確認をすることがあります。

 指をさして「OK」「OK」「OK」と声に出し、すべてを確認したうえで、機械のレバーを引く。これをあえてやるのは、ヒューマンエラーをなくす目的があります。

 物理的に体を動かしてみると、頭だけで考えているときには気づかなかったことに気づけたりするんですよね。

 業務内容が複雑で頭が混乱したときも、手を動かして図にまとめてみると、スッキリ整理できることがあります。

 紙とペンを使って、「これがこうなるから、次にこうしないといけなくて……」と、口で言いながら確認します。

──子どもの頃はよく忘れ物をしていたので、いちいち声に出して確認していましたが、たしかに有効だったように思います。

横山:そうそう。うちの子どもたちは、玄関の荷物を忘れたりするのですが(笑)、いくら「絶対持っていってね!」と念を押しても意味ないんですよね。これは責めても直らないのです。

 だから、家を出る前に「ポイント&コール」をクセづけするなど、習慣化していくしかない。

 玄関で靴を履いたらランドセルを開け、「教科書、入ってる」「体操着、入ってる」「お弁当、入ってる」「よし、出発!」と体を動かして、言葉にしてチェックする。

 仕事も同じです。指さし確認するクセをつけると忘れ物が激減します。

まずはメンタルを整えよう

横山:とはいえ、ミスが多すぎる原因には、「メンタルが弱っている可能性」も考えられます。ミスを指摘され、萎縮しすぎてミスが2倍になってしまうのは、よほどストレスフルな環境にいるのかもしれません。

 私もそういう時期があったのですが、まずは心を整えないと、どれだけ試行錯誤したところで問題は解決しません。職場を変えるという選択肢を視野に入れてもいいかもしれません。

 ちなみに私もミスが多すぎる人間なので、請求業務などは得意な人にお願いすることにしています。ただ、その代わりに、営業や研修など得意分野でしっかり成果を出しています。

 手段はいろいろあります。

 今は、デジタル技術も進化しており、ミスが起きにくい仕組みづくりは従来よりずっとやりやすくなっています。

 使えるツールは積極的に使い、成果を最大限発揮できる環境を整えていけるといいですね。

「ミスを指摘するとミスが2倍になる人」の対処法・ベスト1
横山信弘
企業の現場に入り、営業目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の考案者として知られる。15年間で3000回以上のセミナーや書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。現在YouTubeチャンネル「予材管理大学」が人気を博し、経営者、営業マネジャーが視聴する。『絶対達成する部下の育て方』など「絶対達成」シリーズの著者であり、多くはアジアを中心に翻訳版が発売されている。