2016年の発売以降、今でも多くの人に読まれ続けている『ありがとうの奇跡』。本書は、小林正観さんの40年間に及ぶ研究のなかで、いちばん伝えたかったことをまとめた「ベスト・メッセージ集」だ。あらゆる悩みを解決する「ありがとう」の秘訣が1冊にまとめられていて、読者からの大きな反響を呼んでいる。この連載では、本書のエッセンスの一部をお伝えしていく。
本当は、親が「子ども」に育てられている
「子どもは、親の言うことを聞くものである」「親が口うるさく教えなければ、子どもは育たない」と思っている人がいますが、それは違います。
「魂」の勉強をしてわかったことは、「親がいなくても子どもの人格は決まっているらしい」ということです。
20歳のときの人格も、30歳のときの人格も、40歳のときの人格も、すでに決まっていて、親がいてもいなくても、必ずこの子はそうなるようです。
「子どもは親の教育によって育つのではないか」と思われるかもしれませんが、結論を言うと、子どもは親に関係なく、環境にも関係なく、「ある人格になるべく設計をして生まれてきて、そのとおりになる」ようです。
努力したり、頑張ったりすることで、人格が決まるのではないようです。
「どのような使命を背負って生まれるのか」も、「どのように死ぬのか」も、生まれる前に決められているようです。
つまり、私たちは、自分の意思やまわりの環境によって進む方向を決めていると思っていますが、そうではなく、どうも「生まれてくる前に自分が書いたシナリオ通り」らしいのです。
では、「親は子どもに何を言っても意味がないのか」といえば、そうではありません。
1000でも2000でも、思ったことはいくらでも言っていい。親に言われたことで「子どものスイッチ」が入ることはあるので(それもシナリオ通り)、気がついたことがあれば、どんなことでも言ってあげましょう。
でも、「言った通りにならなかったから」といって、怒ったり、怒鳴ったり、イライラしてはいけません。
「魂」の勉強をしていると、「親が子どもを育てる」のではなく、「親が子どもから育てていただいている」ことがわかります。
親は、いつも子どもより優れていて、優位に立っていて、子どもに対して指導をする立場だと思っているかもしれませんが、それは勘違いです。
子どもが親に育てられているのではなく、親が子どもに育てられているのです。
子どもが親の言うことを聞かないのは、「子どもが何をしても腹を立てないという人格を、親に身につけさせるため」のようです。
子どもは、親を成長させるために存在しているのです。
親は、子どもを通して、「どんなことがあっても、怒鳴らず、怒らず、腹を立てず、イライラしない」ということを、問われています。
私たちは「怒ってみせると問題の解決が早い」と、世の中から教えられてきました。
でも親が、怒って物事を解決するという方法論を選んでいると、子どもはそれしか教え込まれていないので、同じように「怒って解決するという方法を取る」ようになります。
反対に、どんなことがあっても親が怒鳴らず、怒らず、腹を立てず、イライラしなければ、子どもも「怒るという解決策を取らなくなる」のです。
子どもに対して声を荒げて、怒鳴って、怒って、当たり散らして、「親という強力な立場を使って子どもを変えていこうとする」と、子どもは親の真似をして、自分の子どもにも怒鳴り散らす。
そうして「怒りの連鎖」が、次の世代にも、その次の世代にも引き継がれてしまうでしょう。
ですから、「どんなことがあっても、親は腹を立てないほうがよい」のです。