トレーニングの効果を確認するために考慮すべきその他の指標

 エリスさんは、(前述の)「エネルギー」や「睡眠」のようなライフスタイルの指標に加え、もう少し測定可能なものを求めている人には、トレーニングの目標に応じた以下の2つの定量的指標のいずれかを提案しています。

筋トレの成果を求めている人は?

(1)1レップマックス

 筋力トレーニングの成果を強く求めている人にとっては、絶対的な筋力に対する進歩を確認することがこれで可能となるでしょう。それはベンチプレスやバーベルスクワットなどで、自身のなかで最も重いウエイトを使用して可動域をフルに使い、適切なフォームで1レップだけ行う『1レップマックス(1RM)』テストによって測定することです。

(しかし、筋力トレーニング経験の浅い人の場合は、1レップで全力を尽くすのではなく、合計3~5レップの繰り返しでテストをしてから、トレーニング負荷チャートを使用して1レップマックスを行うことをおすすめします)

 またエリスさんは、「自分の体重と比較してどれだけ持ち上げられるか。自分の身体を考慮した相対的な強さで自分の筋力の進歩を見ることもできます」とも、話しています。この測定値を求めるには、単純に持ち上げた重量を体重で割るだけです。

持久力や有酸素運動に重点を置いた目標がある人は?

(2)最大酸素摂取量

 また、持久力や有酸素運動に重点を置いた目標がある人にとっては、進捗状況を測る指標として一般的に使用されるのが、運動中に身体が消費できる最大酸素量を表す『最大酸素摂取量(VO2 max)』です。

 この数値は基本的に、身体がどれだけ効率よく酸素を利用できるかを測るものです。

 ただし、最大酸素摂取量を正確に測定するには、たくさんの高価な器具が必要となるので、ラボ環境で行うことになってしまいます。しかし幸いなことに、より現実的な方法で自分の数値を評価したいというアスリートの要望により、多くのフィットネストラッカーやスマートウォッチが最大酸素摂取量の推定値を提供しているので、自身の進歩を確認することに利用できます。