ついつい食べて過ぎてしまう食欲の秋。これからダイエットしようと考えている人にぜひ読んで欲しい1冊が『医者が教えるダイエット 最強の教科書』だ。「1ヵ月で痩せました!」「考え方が変わった!」と絶賛の声が続々。大きな支持を集めている。著者は、生活習慣病の専門医・牧田善二氏。「食欲をガマンしない」「キツい運動はしない」「お酒を飲んでOK」などダイエットの常識が次々と覆される。本記事では、「ダイエットの疑問や悩み」について、牧田医師に答えてもらった。(取材:中村富美枝)

【医師が解説】しっかり食べてもすぐにお腹が空いてしまう人「1つの共通点」Photo: Adobe Stock

食後2時間くらいですぐにお腹が空いてしまいます

質問者:30代女性

――ランチを12-13時に食べると、夕方16時ごろにはいつもお腹が空いてしまいます。空腹の反動もあってか、夕食はいつもガッツリしたものを食べたくなります。満腹感を得やすいランチ、満腹感が長く続くような食べものがあれば教えてください。

牧田医師:しっかり食べてもすぐに空腹を感じてしまう人は、炭水化物の多いメニュー、ジュースやコーヒー飲料、お菓子などで糖質を摂り過ぎている可能性が高いです。

 ランチで外食を好む人は、どうしても、丼物や麺類、大盛りご飯の定食など、炭水化物中心のメニューを選びがちです。加えて、清涼飲料水やカフェオレなど、糖質量の高い飲み物を口にしている人も多いでしょう。

 この時、体内で何が起こっているのでしょうか。

 糖質を摂取するとすぐに血糖値が上がります。特に野菜や肉などを食べずに、炭水化物ばかりをドカ食いする人や、甘い飲み物を口にする人ほど血糖値は急上昇します。

 血糖値が急上昇すると、ドーパミンと呼ばれる脳内物質が分泌され、幸せな気分になります。

 一方で、血糖値を下げるために膵臓からインスリンと呼ばれるホルモンが大量に放出され、血糖値が急激に下がります。

 血糖値が急激に下がったときに、先ほどの幸福感から一転、空腹感や眠気に襲われます。そのほかにも、イライラや体のだるさなどの不快な症状が出る人もいます。

 そして空腹感や不快な症状を解消するために、脳は「血糖値が下がっているから糖質を取れ」と命令を下します。

 これが、お昼にはたくさん食べたはずなのに、すぐに空腹を感じてしまうメカニズムです。

「ちゃんと食べたのに食後2時間くらいでお腹が空く」という人は、血糖値がジェットコースター状態になっている可能性が高いでしょう。

血糖値の急上昇を抑えるランチの選び方

牧田医師:まずランチでは、麺類やごはん、パンではなく、たんぱく質や食物繊維が中心のメニューを選んでください。

 また食べ方も重要です。食物繊維やたんぱく質を先に、炭水化物は最後に食べるようにして、できるだけランチに時間をかけてください。

 そうすることで、食後の血糖値の上昇は穏やかになるので、低血糖によって引き起こされる空腹感や不快な症状が表れにくくなります。

 皮肉な話ですが、「夕方にお腹が空くといけないから、がっつり食べておこう」とすれば、それだけ糖質を多く摂り、食後の血糖値の上がり下がりも大きくなるため、余計に夕方食べたくなってしまうのです。

 もちろん、この負のスパイラルに陥っている限り、ダイエットは成功しません。