預金や振り込み、資産運用など、長らく銀行が担ってきた個人向け金融サービス市場(リテール部門)には、キャッシュレス化とデジタル化の進展で非金融事業者が続々と参入。とりわけPayPayや楽天グループなどのインターネット企業は、ネットの利便性を武器に一気に存在感を増した。そんな中で三井住友フィナンシャルグループは今年3月、新サービス「Olive」(オリーブ)を立ち上げ、奪われた牙城を取り返すべく反撃を始めた。特集『銀行リテール 最後の決戦』では、10月10日(火)から19日(木)までの全6回にわたって、個人向け金融サービス市場の「最後の決戦」の行方を探っていく。(ダイヤモンド編集部副編集長 片田江康男)
#1 10月10日(火)配信
三井住友FG「オリーブ」の野望と死角、新個人向け金融サービスの命運を握る“最後のピース”とは?
三井住友フィナンシャルグループが立ち上げた個人向け金融サービス「Olive」(オリーブ)。幸先良く半年で100万件のアカウントを獲得したが、PayPayや楽天グループなどのライバルたちは、まだ脅威とは見なしていない。オリーブがライバルを脅かす存在になるための鍵を探った。
#2 10月11日(水)配信
三菱UFJとみずほが個人向けサービスで三井住友FGの先行を許した理由、「20年前の決断」が今…
メガバンク3行の個人向けリテールサービスの現状を比較すると、「Olive」(オリーブ)を立ち上げた三井住友フィナンシャルグループが頭一つ抜け出ている。背景を探ると、合併・統合が次々に起こった約20年前に下された、ある決断が大きく影響していた。
#3 10月12日(木)配信
三井住友は慣例破りの“オリーブ人事”断行、3メガ「リテール衰退」の真因を役員人事から分析する
3メガバンクが個人向けリテール事業で衰退した理由は、グループ内の人事や慣例、グループ企業の序列にも見いだすことができる。そこで、銀行にとって個人向けリテール事業の要となる、傘下のクレジットカード会社の役員人事を分析すると、三井住友フィナンシャルグループでは “オリーブ人事”ともいえる異例の抜てきがあった。
#4 10月13日(金)配信
PayPayが次に奪う「銀行の縄張り」はどこか?キャッシュレス、ポイントだけで終わらない次の戦場
圧倒的な登録ユーザー数と経済圏を確保し、猛烈な勢いで拡大を続けるPayPay(ペイペイ)。メガバンク3行の“反撃”も、どこ吹く風だ。むしろ、PayPayはメガバンクからさらに牙城を崩そうと虎視眈々と準備を進めている。次の一手とは何か。
#5 10月17日(火)配信
りそなが目論む地銀との「新アライアンス構想」、武器はチームラボと共同開発した高評価アプリ
りそなグループは、リテール強化のために2018年2月から「りそなグループアプリ」を活用。23年度から始まった中期経営計画では、培ったアプリ開発と活用のノウハウをベースに、地方銀行と新たな協業、いわばデジタル軸の新アライアンス構想を掲げている。その全貌を明らかにする。
#6 10月19日(木)配信
3メガ銀の個人向け金融サービスは「気がつけば敵だらけ」、PayPay・楽天だけではない大乱戦の全貌
個人向け金融サービス市場において、最後の決戦に挑んでいるメガバンク。だが、ライバルはPayPayや楽天グループばかりではない。あらゆる事業者が参入している個人向け金融サービス市場の全貌を解説する。
Key Visual by Noriyo Shinoda