短時間で成果を出している人がいる一方、頑張っているのに成果が出ない人もいる。この違いは何だろう? 経営の最前線で20年以上、成果上げられる人と上げられない人の差を徹底研究してきた人物がいる。東洋経済オンライン「市場が評価した経営者ランキング2019」第1位、フォーブス アジア「アジアの優良中小企業ベスト200」4度受賞の木下勝寿社長だ。「20年に一冊の本」とミリオンセラー会計士に絶賛された『売上最小化、利益最大化の法則』に続き、「やる気に頼らず楽しく続けられる」と話題となっているのがベストセラー『時間最短化、成果最大化の法則──1日1話インストールする“できる人”の思考アルゴリズム』だ。【がっちりマンデー!!】SNSで「ニトリ」似鳥会長と「食べチョク」秋元代表から「2022年に読んだオススメ本3選」に選抜された。本稿では、本書より一部を抜粋、「最短時間で最大の成果を出す方法」を紹介する。

前人未到のチャレンジと勉強不足を混同しない【アルキメデス経営】の法則とは?

「アルキメデスの原理」を
経営に活かす方法

 データとデータの組合せは、「アルキメデスの原理」が誕生したときの発想に近い。

 アルキメデス(BC287?~BC212)は古代ギリシャの数学者で、王様から「王冠が本物の金でつくられているか調べてほしい」と頼まれたという話で有名だ。

 それまでは王冠を溶かして調べるしか方法はなかった。

 しかし、アルキメデスは液体の質量、重力、浮力の関係から王冠を水に沈めてあふれた水の量だけで純金か否かを判断できる計算式を編み出した。

 この計算方式が「アルキメデスの原理」だ。

 当社の経営はそれに近い。

 広告宣伝費をかければ売上は増えるが、利益率は下がる。

 一方、広告宣伝費を惜しめば利益率は上がるが、売上の機会ロスをする。

 よって、当社ではかけた広告費と1年間のリピート予測の数字を掛け合わせ、いくらの広告投資をすれば最も利益が最大化されるかという計算式を完成させた。

入社半年の新人でも判断できるしくみ

 一人のお客様を獲得(受注)するのにかかった費用をCPO(Cost Per Order)という。

 どんな業種でも注文を取ろうとすれば、広告を出したり営業したり、なんらかの販促が必要だ。

 CPOをかければ売上は上がるが、コストもかかるので利益は減る。

 当社では先ほどの計算式で「いくら投資すればいついくらになって返ってくるか」の明確な数値があるので、入社半年の新人でも月間数千万円の広告予算を運用できる。

 その数値を上回ればストップすべき、という明確な基準があるので失敗しないからだ。

 この考え方については、拙書『売上最小化、利益最大化の法則』を参照してほしい。

 このように、当社では、事象の関連性を常に計算式で考える。

 物事の関連性を数字で見るのがまさにアルゴリズムだ。

 因果関係があるものは、数値化すると成功確率がわかる。

(本稿は『時間最短化、成果最大化の法則』の一部を抜粋・編集したものです)